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On the Production
by 井口健二
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■第159回
OKしたとのことだ。一方、ギブスンは『サイン』以降は、
『パッション』と『アポカリプト』の監督はしているが、映
画出演は、2003年“The Singing Detective”に準主役級で
出ている他は公式にはなく、またユダヤ人問題での舌禍事件
の後は多くの計画がキャンセルされたようだ。
 しかし今回は、キングがそれを押してのオファーをしたと
のことで、これを機会に過去の作品の全世界興行収入合計が
50億ドルを超えると言われるギブスンの復活が期待される。
ただし本作に関しては、キングが自費で製作を進めるとして
いるもので、撮影開始は8月と発表されているものの、配給
会社等は決っておらず、まだ多少前途は多難なようだ。
        *         *
 アメリカの宇宙開発の初期に関った人々を描いた『ライト
スタッフ』や、ブルース・ウィリス主演『虚栄のかがり火』
などの原作者トム・ウルフが、2004年に発表した小説“I Am
Charlotte Simmons”の映画化を、アントニオ・バンデラス
主演『レッスン!』などのリズ・フリードランダー監督で進
めることが発表された。
 原作は、1931年生まれのウルフが現代の大学生たちの繰り
広げる学園生活を描いたもので、この取材ためウルフは実際
に学生寮に長期滞在してその実態を観察したとされている。
このため会話などはかなり斬新なものになっているとのこと
だが、実のところこの原作にはかなりの賛否両論があるもの
で、その映画化にはいろいろな意味で注目が集まりそうだ。
 製作と脚本は、1991年のケヴィン・コスナー主演作『ロビ
ン・フッド』などを手掛けたジョン・ワトソンが担当。MT
V出身のフリードランダー監督は『レッスン!』では手堅い
演出だったと思うが、さて今回はどのような作品が出来上が
るか、楽しみなことだ。
        *         *
 ここからは、SF/ファンタシー系の情報を紹介しよう。
 まずは“Iron Man”が爆発的なヒットとなったマーヴル・
スタジオから、2011年までの計画が発表されている。
 それによると、エドワード・ノートン、リヴ・タイラー、
ティム・ロス、ウィリアム・ハート共演による第2弾“The
Incredible Hulk”は、アメリカではユニヴァーサルの配給
で6月13日に公開される。
 因に、この2作の日本公開はソニーの配給で行われること
になっており、この内“Hulk”の公開は8月1日の予定で、
9月20日公開予定の“Iron Man”より先になる。アメコミの
映画化は、日本では微妙なところにあるが、いずれにしても
知名度の高い『ハルク』を先にするのは正解だろう。
 そして本国での第3弾には、2010年4月30日の公開予定で
“Iron Man”の続編の製作を進めることが発表された。実際
のところ第1作をまだ見ていない状況では、僕自身の判断は
出来ないが、実はこの続編製作の情報はアメリカでの第1作
公開の前日にすでに流されたもので、マーヴェルの自信のほ
ども伺わせたものだ。
 ロバート・ダウニーJr.、テレンス・ハワード、ジェフ・
ブリッジス、グイネス・パルトローら出演者の続編契約がど
うなっているかは不明だが、もともと巨額の製作費が注ぎ込
まれる作品で、第1作がこのヒットなら問題はなさそうだ。
 また2010年6月4日には、マシュー・ヴォーン監督による
“Thor”の公開も予定されている。
 この作品については、第111回、第115回などでも紹介して
いるが、北欧神話に基づくスーパーヒーローが活躍するもの
で、脚本は『ポセイドン』などのマーク・プロトセヴィッチ
が担当。ストーリーには『ブレイド』などのデイヴィッド・
ゴイヤーが参加したという情報も一時流された。キャスティ
ングは未発表だが、前2作並の大物起用が期待できそうだ。
 そして2011年には、まず5月6日に“The First Avenger:
Captain America”が登場。この作品についても第111回で紹
介しているが、元祖アメコミヒーローとも呼ばれる星条旗の
コスチュームを纏ったスーパーヒーローがついにスクリーン

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05月15日(木)
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