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On the Production
by 井口健二
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■第158回
グ」という邦題で翻訳もあるようだ。その物語は、謎の錠剤
を飲んだ若者が瞬く内に仕事で成功を納めるようになるが、
やがて彼は手酷いしっぺ返しを受けることになる…というも
の。因に原作は、英国推理作家協会の処女長編賞の最終候補
にも残ったとされている。
 そして今回の計画では、1999年の『トーマス・クラウン・
アフェア』や2000年の『ペイ・フォワード』、さらに2007年
のミュージカル版『ヘアスプレー』などを手掛けた脚本家の
レスリー・ディクストンが自ら映画化権を獲得して脚色と製
作も担当するもので、脚本家は自ら製作も担当することにつ
いては、「映画の全体をコントロールできる立場にいたいか
ら」と発言している。
 そして本作の監督には、今年3月9日付で紹介した『幻影
師アイゼンハイム』のニール・バーガーの起用が発表されて
いる。この監督の才能については、映画の紹介文の中でも高
く評価したつもりだが、今回の状況では、監督と脚本家/製
作者との意見がぶつからないことを祈りたいものだ。
        *         *
 ソニー傘下のコロンビアが、ジョニー・ローゼンタールと
いう脚本家による“Iron Jack”と題されたオリジナル作品
の映画化権を、MGM、CBS、スパイグラスなどとの争奪
戦の末に、200万ドルで獲得したことが発表された。
 内容は、1930年代を舞台に、人気作家が伝説の宝物捜しを
行うというもの。ジャンルはアクションアドヴェンチャーと
いうことだ。
 因にローゼンタールは、まだ映画化が実現された長編作品
はないようだが、パラマウントでアレック・ボールドウィン
主演による“Friendly Skies”というコメディ作品が製作準
備中になっており、さらにファミリーコメディのテレビシリ
ーズも手掛けているとのこと。その路線からは、本作もアド
ヴェンチャーコメディという可能性は高そうだ。
 ただ、上記の設定だけを聞くと、1984年に公開されたロバ
ート・ゼメキス監督、マイクル・ダグラス、キャスリーン・
ターナー、ダニー・デヴィート共演の『ロマンシング・スト
ーン』を思い出しそうだが、争奪戦まで行われたというのな
ら、それなりのオリジナリティはあるのだろう。楽しい作品
を期待したい。
 それにしても、何もコロムビアがMGMと争奪戦をしなく
てもいいと思うのだが…
        *         *
 ここからは、SF/ファンタシー系作品の話題を中心に紹
介しよう。
 まずは、トム・クルーズ/ポーラ・ワグナー率いるユナイ
テッド・アーチスツ(UA)が、すでに2009年までの放送が
決定している人気SFシリーズ“Battestar Galactica”の
脚本家/製作者ロナルド・D・モーアと、SF映画3部作の
立案及び脚本の契約を結んだことが発表された。
 この作品の具体的な内容について、UA側は情報を開示し
ていないが、モーアは“Star Trek: The Next Generation”
(新スタートレック)シリーズの脚本と、後半は共同製作者
としても活躍した人であり、その他にも、映画版の『スター
トレック/ジェネレーションズ』や、『ファーストコンタク
ト』など、ファンをニヤリとさせる作品を手掛けていて、彼
が手掛けるSF映画なら期待を持ちたいところだ。
 またモーアは、クルーズの主演でジョン・ウーが監督した
2000年『M:I-2』のオリジナルストーリーも手掛けていたも
ので、今回の契約はその関係で結ばれたようでもある。この
点についてワグナーは、「モーアがその才能を映画界にもた
らしてくれることに期待する。そしてそのパートナーに我が
スタジオを選んでくれたことを歓迎する」というコメントを
発表している。
 どんな作品が出てくるか、その規模や時期も未定だが、取
り敢えずは期待の膨らむ情報ということになりそうだ。
 なお、クルーズ/ワグナーが率いるUAでは、すでに公開
された“Lions for Lambs”に続いては、“Valkyrie”の公
開が来年2月に予定されており、さらにジェシカ・ビール主

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05月01日(木)
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