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On the Production
by 井口健二
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■第155回
データベースのIMDbに、2月23日付の更新で製作情報が掲載
になっている。
 その情報によると、監督フィンチャー、主演モーガン・フ
リーマンと、製作会社のパラマウントは以前の情報と変わら
ず、製作状況は原作を脚色中というものだ。またその脚本家
には、2001年のテレビ・ミニシリーズ『バンド・オブ・ブラ
ザース』などのブルース・C・マッケナ、2002年12月に紹介
した『ケミカル51』などのステル・パヴローの他、アンド
リュー・カーン、スコット・ブリックという名前が挙がって
おり、ブリックが現在の脚色を進めているようだ。
 またこの企画は、元々フリーマンが権利を獲得して、長年
映画化を目指しているものだが、そのフリーマンが主宰する
プロダクションRevelations Entertainmentのオフィシャル
サイトでも、トップページに1番大きなイラストが掲載され
るようになっており、これはかなり確度が高そうだ。
 物語の舞台は、2130年の未来。人類はもはや宇宙唯一の知
的生命かと思われていた時代。そんな人類の住む太陽系に、
突然直径20km、長さ50kmという巨大なシリンダー状の人工物
が進入してくる。そしてその調査に向かった主人公たちは…
 原作は、1973年に出版されてヒューゴー/ネビュラの2大
SF賞を同時受賞した名作として知られるが、1973年という
と、映画『2001年宇宙の旅』の公開から5年後のことで
あり、クラークが必ずしも思い通りに行かなかったとも言わ
れる『2001年』の物語を、自分なりに再話した作品とも
言えそうなものだ。因に、『2001年』の続編の“2010:
Odyssey Two”はさらに9年後の1982年に発表される。
 そしてこの作品の映画化に関しては、かなり以前から期待
されていたものだが、実は、今年1月発行のある映画雑誌に
掲載された「実現しない映画企画ベスト10」の1本としても
紹介されていたもので、その時には、製作費が1億ドル以上
になるのが問題とされていたようだった。しかしその記事で
も、今のVFX技術ならそこまではかからないはずとの指摘
もされており、その記事が今回の動きを後押しした可能性は
ありそうだ。
 ただし、IMDbの記事では2009年公開予定となっているが、
上記の企画と併せると、フィンチャーが今すぐに取り掛かる
のはちょっと難しそうだ。しかしここまで勢いが出てきたの
なら、このまま実現に向かうことを期待したい。また原作に
は、第4部までの続編も発表されているものだ。
        *         *
 『ポセイドン』などのウォルフガング・ペーターゼン監督
が、コロムビア製作のSFスリラー“Uprising”の監督を契
約したことが発表された。
 作品は、強力なエイリアンに占領された地球を舞台に、レ
ジスタンスを繰り広げる地球人たちの姿を描くというもの。
脚本は、2001年『光の旅人』や一昨年の『ブラッド・ダイア
モンド』などを手掛けたチャールス・リーヴィットが執筆し
ており、2001年作品の感じからするとSFへの理解度も高そ
うで、楽しみな作品になりそうだ。
 一方、ペーターゼンは、『トロイ』『パーフェクト・スト
ーム』など最近ではワーナーでの仕事が多かったが、元々の
『Uボート』や『ザ・シークレット・サービス』の頃はコロ
ムビアだったもので、ハリウッド進出を果たした当時の古巣
に戻ったことになる。
 そして、そのコロムビアの首脳からは、「本作は、アクシ
ョンとサスペンス、それにドラマがミックスされた作品で、
正にペーターゼンのための作品だ」との期待が表明されてい
た。製作は、『グラディエーター』などのルーシー・フィッ
シャーが担当する。
        *         *
 『アンダーワールド』シリーズなどを手掛けるレン・ワイ
ズマン監督が、コロムビア製作で“Shell Game”と題された
SFスリラーを監督することを発表した。
 作品の内容は、不老不死を扱う危険なブラックマーケット
の捜査を進めていた刑事が、モラル上のディレンマに陥ると

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03月15日(土)
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