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On the Production
by 井口健二
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■桃まつり真夜中の宴、フィクサー、燃えよ!ピンポン、アメリカを売った男、ブラブラバンバン、NAKBA、王妃の紋章
指して情報収集の任務に着いていたが、ある日上司から新設
の「情報管理部」勤務を命じられる。そこはFBIでNo.1と
も謳われるハンセン特別捜査官がトップとなる部署だった。
ところがオニールには、同時にハンセンの行動を監視する任
務が与えられる。ハンセンは性的に不信な行動があり、その
事実を把握せよという命令だったが…。オニールがいくら監
視しても、敬虔なクリスチャンのハンセンに怪しい素振りは
なかった。
やがてオニールはハンセンの家族にも紹介され、オニールの
妻のジュリアナも共に家族のつきあいを始めることになる。
しかしそれは、事情の伝えられないジュリアナの不信も買う
ことになってしまう。そしてその裏側では、捜査が着実に進
められていた。
オニール本人が特別コンサルタントとして参加し、FBIの
許諾の許に製作された映画とされる。脚本監督は、2003年の
ヘイデン・クリステンセン主演作『ニュースの天才』などの
ビリー・レイ。撮影の一部は、実際のFBIの建物の中でも
行われているそうだ。
従って、物語はかなり現実に近いものになっているようだ。
それは正に「事実は小説より奇なり」という感じの、緊迫感
に満ちた作品になっている。特に僅かの時間にハンセンの身
辺を探るシーンなどは、スパイ映画さながらのものだ。
ところがこの物語の中では、ハンセンが二重スパイになった
理由や切っ掛けなどは明白に示されない。実際に、20年間も
二重生活を送れたことにはそれなりの事情があるようにも思
えるのだが、その辺がはっきりしないのだ。
これはアメリカ人にしてみれば、国家的犯罪者の男の言い訳
など聞きたくもないというところかも知れないが、部外者の
日本人としてはその辺が釈然としなかった。
しかし実際のハンセン自身も、映画の中と同様、金のためと
いうこと以上には口をつぐんでいるようで、この辺は致し方
ないところでもあるようだ。まあ、実際のスパイの切っ掛け
というのはそんなものなのかも知れない。
ハンセン役はオスカー受賞俳優のクリス・クーパー。オニー
ル役に『父親たちの星条旗』などのライアン・フィリップ。
他に、ローラ・レニーらが共演。迫真の演技を繰り広げる。

『ブラブラバンバン』
週刊ヤングサンデーで1999年から連載された柏木ハルコ原作
コミックスの映画化。
音楽の演奏を始めるとその中にのめり込み過ぎて、時として
ちょっとエッチな暴走をしてしまう女学生ホルン奏者と、一
旦は廃部してしまった高校吹奏楽部の再建を巡る物語。
主人公は、中学で吹奏楽部にいたが、同級生の部員に告白し
たらあえなく振られ、吹奏楽で有名な学校に進学した彼女の
後は追わずにこの学校に来たという内気な少年。ところがこ
こで、無心にホルンを吹く1年上の女学生に出会ったことか
ら、彼の学園生活が変わり始める。
彼は、その先輩と共に演奏することを夢見て吹奏楽部の再建
に協力するが、さらに先輩を巡るライヴァルの出現と、その
ライヴァルを取り巻く女生徒たちがいろいろなドラマを繰り
広げる。
学園もので音楽というと、最近ではコーラスの『うた魂♪』
を紹介しているが、他にも『リンダ、リンダ、リンダ』とか
いろいろ紹介してきた。でも今回はテーマが吹奏楽というこ
とで、演奏される楽曲もラヴェルやボロディンなど、高校生
を感じさせるものが揃っていた。
そんな楽曲に合わせて物語が進行するものだが、ここでは、
ちょっとエキセントリックな女学生という設定にも変化があ
って、その彩りが面白く物語を見せていた。
主演は、ストリートダンサーからスカウトされたという福本
有希と、ミュージシャンでもある安良城紅。共に映画は初め
てのようだが、物語に填った演技を見せてくれる。共演は、
『ROBO☆ROCK』の岡田将生、『夜のピクニック』の
近野成美など。
さらにさとう珠緒、藤村俊二、森本レオ、原日出子、宇崎竜
童らが脇を固める。
ホルン独奏によるラヴェルの「ボレロ」に始まって、チャイ

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02月03日(日)
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