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On the Production
by 井口健二
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■第151回
 因にミドルトンの発言によると、前回報告したシュワルツ
ェネッガーの出演も今はなくても良い展開になっているそう
で、それぞれの発言者は異なるが、脚本家のストライキの最
中に、このような設定に関する発言がころころ変更されるの
も、ちょっと心配な感じのするところだ。
        *         *
 ということで、ここからはSF/ファンタシー系の情報を
紹介しよう。
 まずは、12月14日の公開以来、年末までの全米興行で2億
4000万ドルを達成し、すでに史上第51位の成績となっている
『アイ・アム・レジェンド』に続編の情報が報告された。し
かもこの続編の計画を、原作者のリチャード・マシスンが承
認したとのことだ。
 この続編に関しては、公開に先立って行われた主演ウィル
・スミスらの来日記者会見の際に、会場に紛れ込んでいた某
テレビタレントが「続編に出演したい」と発言してスミスの
顰蹙を買っていたもので、その時にスミスは、「前日譚なら
作れるかも知れない」としていたが、今回の情報は正に続編
が検討されているとのことだ。
 確かに、元々のマシスンの原作は続編の作りようのないも
のだったが、今回の映画化では物語が大幅に改変されて、そ
の改変された物語からなら続編は作れないこともない。つま
りそういうことも想定された上での映画造りがされていた訳
で、ここにはハリウッドのしたたかさが見えるものだ。
 具体的なことは何も発表されていないが、製作脚本のアキ
ヴァ・ゴールズマンを中心に、主なスタッフは戻ってくると
考えられ、この計画は案外早く進むかも知れないとのこと。
某テレビタレントがそれに登場するかどうかは、その時にな
れば判るだろう。そして続編が成功したら、後はシリーズ化
にまっしぐらとなる。
        *         *
 E・E‘ドク’スミス原作の“Lensman”シリーズの映画
化が、『アポロ13』などのユニヴァーサルとイマジンで計画
されている。
 スミスは、スペースオペラの創始者とも呼ばれるSF作家
で、彼が1928年から発表したSkylarkシリーズの第1作“The
Skylark of Space”によって、人類は想像上で初めて太陽系
を越えて大宇宙に飛び出したと言われている。そして、スミ
スが1937年に誕生させたLensmanシリーズでは、スケールは
さらに拡大し、高度な存在によって選ばれた人類と邪悪な敵
との戦いが、大宇宙を舞台に壮大なスケールで描かれた。
 このLensmanシリーズは、実は1984年に日本でアニメシリ
ーズ化されたことがあり、さらに1987年の続編シリーズと、
2000年に単発の作品も製作されている。しかし今回の計画で
は、このアニメ版の存在は無視されているようで、スミスの
孫に当る版権の管理者が、ユニヴァーサルとの間で18ヶ月の
オプション契約を結んだとのことだ。
 因にこの契約は、必要に応じて18ヶ月の延長が認められる
ものだが、契約を履行するためには、少なくとも最初の1年
半以内に製作の目途は立てられることになる。
 なお“Lensman”シリーズの映画化に関しては、2004年の
6月頃にも1度、ビバリー・ヒルズにあった新興のプロダク
ションで計画が立上げられたことがあるが、そのまま情報が
途切れてしまったもので、今回は大手が動くことでもあり、
何とか実現してもらいたいものだ。
        *         *
 2005年2月15日付の第81回で紹介した『ダレン・シャン』
シリーズ第1作“Cirque du Freak”(奇妙なサーカス)の
映画化が進められ、2月8日の撮影開始が発表された。
 この原作は、著者名をダレン・シャンによって発表された
ファンタシーシリーズで、親友と共に「奇妙なサーカス」の
チケットを手に入れた少年ダレン・シャンが、そこでの出来
事によって命が危うくなった親友を救うため、自ら半ヴァン
パイアとなってしまうというもの。そしてその後のシリーズ
では少年がヴァンパイアとして成長する姿を描き、全12巻が
発表されているという作品だ。

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01月15日(火)
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