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On the Production
by 井口健二
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■スウィーニー・トッド、俺たちの明日、うた魂♪、魔法にかけられて、奈緒子、胡同の理髪師、L、マイ・ブルーベリー・ナイツ
端の舞台となっている物語。
その城を支配する女王は、長年自分の地位が脅かされるのを
心配している。そして義理の息子である王子に運命の花嫁が
現れないようにしていたのだが、ある日、王子は森の中で動
物たちと一緒に暮らす女性ジゼルと出会ってしまう。
そして王子の求愛を受け、動物たちと手作りしたドレスで城
に向かったジゼルだったが…。そこで待ち受けていた女王の
策略に填って遠い世界へと飛ばされてしまう。そのジゼルが
辿り着いたのは、何と現実のニューヨークだった。
この最初の城の建つ世界(アンダレーシア)がアニメーショ
ンで表現され、ニューヨークに到着してからは実写で物語が
進行する。
ところが、この実写ではエイミー・アダムスが演じるジゼル
が、現実世界の中でも、まるでアニメーションの世界のよう
に「真実の愛」について歌ったり、踊ったりするものだから
話がややこしくなる。
しかも現実世界で彼女を助けるのが、自身もバツ1の離婚専
門弁護士なのだから、いくら「真実の愛」だといっても信じ
てくれるはずもない。そこに彼女の後を追って来た王子や、
さらに女王の手先までもがニューヨークに現れて…
共演者は、王子役に『X−メン』でサイクロプス役のジェー
ムズ・マースデン、弁護士役にテレビ『グレイズ・アナトミ
ー』などのパトリック・デムプシー、さらに、スーザン・サ
ランドン、『スウィーニー・トッド』にも出ていたティモシ
ー・スポールらが登場する。
カルチャー間のギャップというか、ディズニーが普段アニメ
ーションで追求している世界感を全部覆すのだから、これは
思い切ったことをしてくれた作品だ。でも最後には、ちゃん
と修復が在るのもディズニーらしいというところだろう。
なお映画は、『白雪姫』『シンデレラ』などへのオマージュ
やパロディも満載で、そんなものを探しながら観ているだけ
でも充分に楽しめる。その他、ジゼルがセントラルパークで
歌うシーンは『サウンド・オブ・ミュージック』だったり、
ディズニー以外のシーンも次々登場する。もちろんお子様向
け、でも大人は大人の楽しみ方もある作品だ。
『奈緒子』
「ビッグコミック・スピリッツ」に連載された同名原作の映
画化。
長崎県の離島の高校を舞台に、駅伝県代表の座を目指す陸上
部員たちが厳しい夏の合宿訓練に励む姿が描かれる。そして
そこには、小学校の頃に喘息療養のためにその島を訪れ、そ
の後は東京に戻っていた同年代の少女の姿もあった。
駅伝の国際名称はroad relayなのだそうだが、元々が日本発
祥の競技ということで、海外でもekidenのローマ字書きで通
用するそうだ。
その駅伝競走の距離、区間などは大会ごとに任意に決めてよ
いそうだが、本作の背景となる高校駅伝男子は、フルマラソ
ンと同じ42.195kmを7区間に分け、それぞれの距離は10km、
3km、8.1075km、8.0875km、3km、5km、3kmとなっている。
つまり、各選手が走る距離は10km〜3kmと幅がある訳で、こ
れにそれぞれの選手の特質や力量などに合わせて、出場メム
バーや走る順番などのチーム構成を決める面白さもある。そ
こにも駅伝のドラマが存在するものだ。
その辺のドラマについて、多分原作ではもっと克明に描かれ
ていると思われるが、映画ではその辺が省略されたのは残念
なところだ。でもまあ、2時間の上映時間ではそれも仕方が
ない。映画の中でそれなりに新人の抜擢などが描かれていた
のは、その片鱗とも言えるのだろう。
物語は、少女が過去の来島中に海に転落した事故が背景にな
る。それによって過去を引き摺らなくてはならなくなった少
女と、やはりその事故の影響を受けた陸上部のエースの再生
の物語が描かれる。それは駅伝の襷を繋ぐことの意味と重ね
合わされるが…
確かに最後に皆が繋がるということは描かれているが、それ
がレースの結果であったり、コーチの病気であったり、いろ
いろな要素で形成されるから、何か肝心なところが暈けてし
まった感じも持つ。昔のスポ根物の域を出ていない感じがし
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01月06日(日)
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