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On the Production
by 井口健二
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■第150回
ところがこの発表に伴って、前々回紹介したSFスリラー
“Executive Order: Six”からのシングルトン監督の離脱も
報告されたようだ。“Executive…”の撮影は、2008年初旬
となっていたもので、それなら今回の計画とはぶつからない
はずだが、これは一体どうしたことだろうか?
* *
ダコタ・ファニングの次回作で、クイーン・ラティファ、
ソフィー・オコネド、ジェニファー・ハドソンとの共演が発
表された。
この作品は、2002年に発表されたスー・モンク・キッド原
作の小説“The Secret Life of Bees”を映画化するもの。
物語は、1964年のサウスカロライナを舞台に、幼くして母親
を亡くした14歳の主人公が、父親との確執からハドソン演じ
る家政婦と共に家出を決意する。そして助けを求めて養蜂家
の3姉妹と出会い、そこでいろいろな出来事の中、成長して
行く姿が描かれるというものだ。この養蜂家の3姉妹役に、
ラティファ、オコネドと、歌手のアリシア・キーズの出演が
予定されている。
ジーナ・プライス=バイスウッドの脚色・監督で、撮影は
1月9日に開始される。なお第146回で紹介したファニング
姉妹共演の“My Sister's Keeper”の撮影は、2月に開始の
予定になっている。
* *
ヨーロッパ発の情報で、コンスタンティン・コスタ=ガヴ
ラス監督が、1969年の『Z』以来となる母国ギリシャでの映
画製作を発表した。
作品は“Eden Is West”と題されているもので、内容は、
EU諸国の中で苦しい生活を続けている違法入国者に関する
ものということだ。脚本はコスタ=ガヴラスと、彼の長年の
協力者のジャン=クロード・グルンバーグが執筆。こちらも
長年の相棒のパトリック・ブロシエルの撮影監督で、撮影は
3月に開始される。
コスタ=ガヴラスの作品では、2005年の“Le Couperet”
(斧)が同年のフランス映画祭横浜で上映されているようだ
が、『Z』などは自分の映画経験の中でも大きな位置を占め
ているもので、今回の作品が話題となって日本でも正式に上
映されることを期待したいものだ。
* *
第148回で脚本家ストライキによる頓挫を報告したトム・
クルーズ主演、コロムビア作品“Edwin A.Salt”について、
俳優監督のピーター・バーグが監督を引き継いで、計画通り
実現する可能性が出てきた。
この作品は、第140回でも紹介したようにCIAの係官が
上司から二重スパイと疑われ、身の潔白を証明するために自
らの家族関係を再構築しなければならなくなるというお話。
『リクルート』などのカート・ウィマーの脚本で、クルーズ
はタイトルロールのCIA係官を演じるものだ。
そして監督に名前の挙がったバーグは、2003年にドウェイ
ン“ザ・ロック”ジョンスンが主演した『ランダウン』など
の監督で知られるが、実は俳優としてもテレビの『シカゴ・
ホープ』で5年間に渡ってレギュラーを務めるなど活躍して
いる人。今回の起用ではクルーズを監督するのはもちろん初
めてだが、2004年の『コラテラル』と、新作の“Lions for
Lambs”では俳優として共演もしており、その点では気心の
知れた人材からの起用と言えそうだ。
なおバーグ監督は、ウィル・スミスの主演で、6月公開予
定の“Hancock”という作品をコロムビアで撮り終えたとこ
ろだが、実はこの作品は、第21回などで紹介した“Tonight,
He Comes”がいろいろ変遷の末に実現したもの。零落れたス
ーパーヒーローを描くこの作品は、最近You Tubeに予告編が
公開されたが、それを観るとかなり面白そうだ。今回報告の
監督が決まると、そのポストプロダクションとの並行作業も
予想されることになるが、同じスタジオでならそれもやりや
すいと考えられ、実現を期待したいところだ。
* *
というところで、ここからはSF/ファンタシー系の情報
を紹介するが、最初の話題はもう1本ピーター・バーグ監督
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01月01日(火)
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