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On the Production
by 井口健二
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■第147回
ポール・ヴァーホーヴェン監督で進められる“The Thomas
Crown Affair 2”の撮影を1月に開始の予定の他、ピーター
・ジャクスン監督の復帰が濃厚となってきた“The Hobbit”
も準備を進めているとのことだ。
        *         *
 “The Hobbit”の話題が出たところで、ここからはSF/
ファンタシー系の情報を紹介しよう。
 まずは、そのピーター・ジャクスンの製作で、マイクロソ
フト社のゲーム“Halo”を実写映画化する計画については、
昨年10月以降頓挫したままの状態になっているものだが、同
作の監督に予定されていたニール・ブロムカンプのアイデア
に基づく別のSFアクション作品が、ジャクソンの製作で進
められることになった。
 作品は、“District 9”と題されているもので、具体的な
内容は一般向けには公表されていないが、実写のSF作品で
あることは発表されている。また、この計画は、“Halo”の
準備作業の傍らで作り上げられたものだそうで、これについ
てジャクスンからは、「私と私のチームは、過去1年間ニー
ルと共に仕事をすることを喜びとしていた。彼は映画という
言語を使ってなすべきことが判っているし、情熱も持ってい
る。それがこの作品が世界中の人々を魅了すると信じる理由
だ」との賛辞も贈られている。
 そして、この新作の配給権が先日開催されたアメリカン・
フィルム・マーケットでセールスされ、北米と英語圏、及び
韓国、イタリア、ロシア、ポルトガルの権利をソニー・ピク
チャーズが獲得したと発表された。因に、このセールスでは
具体的な内容も紹介されたはずだが、その情報はまだ公表さ
れていないようだ。
 撮影は、ストライキ前の完了を目指して、来春に南アフリ
カで行われることになっており、ジャクスン主宰のWETA
ワークショップがVFXの製作を担当する。
 なお、ブロムカンプはコマーシャルと短編映画で知られる
映画作家ということだが、本作が長編監督デビューとなる。
また、監督は“Halo 3”の3本の新作コマーシャルも手掛け
たそうで、この勢いで映画版の製作にも打開策を見つけたい
ところだろう。ただし、ソニー配給という訳には行かないと
思われるが。
        *         *
 お次もPCゲームの映画化で、ディズニーと『ナショナル
・トレジャー』などの製作者ジェリー・ブラッカイマーが進
めている“Prince of Persia: The Sands of Time”の監督
について、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を手掛け
たマイク・ニューウェルと交渉中であることが公表された。
 この計画については第107回で一度紹介しているが、基本
となる物語は、ペルシャの王子が人類を滅亡させる砂嵐の発
生を食い止めるために、遠隔地の王国を舞台に活躍するとい
うアクションアドヴェンチャー。2005年4月に行われた映画
化権の契約は、7桁($)で行われたものだ。また原作は、
すでに6作が発表された他に、派生作品も何作か発表されて
いるとのことで、ディズニーとしては、当然シリーズ化も視
野に入れた大型作品としての映画化を目指している。
 そして、脚本には『ザ・デイ・アフター・トゥモロー』の
ジェフリー・ナクマノフと原作ゲーム制作者のジョーダン・
メックナーが共同執筆したものがすでに完成しているとのこ
とだ。ただしディズニーでは、来年3月まで7作品の製作予
定が決定済みとのことで、本作の製作はストライキの問題が
解決した後になるようだ。
        *         *
 1991年に公開されたウェズリー・スナイプス主演『ニュー
・ジャック・シティ』などを手掛けたマリオ・ヴァン=ピー
ブルス監督が、“The Uniter”と題されたSF作品の計画を
進めている。
 物語は、未来からやってきた政治犯の逃亡者が現代の世界
で13歳の少年と交流し、迫り来る地球滅亡の日を前に、対立
している人々を融和させ、対抗策を講じるには少年が何をな
すべきかを教えるというもの。『ターミネーター』の裏返し

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11月15日(木)
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