ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460308hit]
■第145回
は、上記の作品の終了次第、来年早々の撮影もありそうだ。
なお、フリーマンは、ジャック・ニコルスンとの共演で、
ロブ・ライナー監督による“The Bucket List”という作品
をすでに撮り終えている。
* *
『Ray/レイ』では、盲目の歌手レイ・チャールズを名
演して2004年のアカデミー賞主演男優賞に輝いたジェイミー
・フォックスが、今度はホームレスの演奏家に扮する作品が
ドリームワークスで映画化される。
“The Soloist”と題された作品は、LAタイムズに掲載
された実話に基づくもので、街角で暮らすナサニエル・エイ
ヤースという男性が、実は音楽の天才で、夢はディズニー・
ホールで演奏することだった…というもの。実在の男性は、
ジュリアード音楽院で学んでいたが、2学年次に精神分裂症
を患い、ロサンゼルスの下町でホームレスになってしまう。
そして街角でヴァイオリンとチェロのパフォーマンスをして
いたところを、LAタイムズの記者スティーヴ・ロペスに発
見されたということだ。
映画化は、ロペスが自分との交流も交えて記事を纏め来春
発行される“From Skid Row to Disney Hall”を原作とし、
脚本は、『エリン・ブロコビッチ』のスザンナ・グラントが
執筆。監督はキーラ・ナイトレー主演の『プライドと偏見』
で注目され、同じくナイトレー主演の“Atonement”が今年
ヴェネチア映画祭で上映されたジョー・ライトが担当する。
撮影は来年1月に開始の予定で、共演者には、ロペス役に
ロバート・ダウニーJr、記者の妻役に、チャーリー・カウフ
マン監督の“Synecdoche, New York”などに出演のキャサリ
ン・キーナーの配役も発表されている。
* *
ここからはSF/ファンタシー系の情報を紹介する。
まずは、2002年版『ボーン・アイデンティティー』を手掛
けたダグ・リーマン監督が、『ゾディアック』のジェイク・
ギレンホールと組んで、“Untitled Moon Project”という
計画をドリームワークスで進めている。
物語は、個人的な月遠征と月面の植民地化を題材にしたも
のということで、現在では国家プロジェクトも頓挫している
月面探査に個人で挑むというお話のようだ。リーマン監督と
ジョン・ハンバーグが執筆したオリジナル脚本から、『ブラ
ックホーク・ダウン』の原作者としても知られるマーク・ボ
ウデンが物語を再構築、ボウデンは撮影用の台本も手掛ける
ことになっている。
1960年代以前のSFでは、個人での月探査の話もよくあっ
たものだが、アポロ以後は、現実を見ながらではなかなかそ
ういう物語も構築しにくい。しかし、そのアポロ計画も終了
してかなりの年月が経ってしまった訳で、ここらで現実の宇
宙計画に渇を入れる意味でも面白い作品と言えそうだ。ただ
し、今の時代にそれを如何に現実的な物語として成立させる
が難しいところで、リーマン監督がどのようなアイデアを出
してくるかにも興味が沸く。それに植民地化という話では、
中国の探査計画のことも考えると、かなりインパクトがあり
そうだ。
因にドリームワークスでは、本作を最優先計画の1本とし
て進める意向としている。とは言え今回の情報では、最初か
らギレンホールの登場がやたらとある訳で、スケジュールの
調整は大丈夫なのだろうか。
なおリーマン監督の作品では、2006年4月15日付第109回
で紹介したSF映画の“Jumper”が、来年早期にフォックス
から公開予定になっている。
* *
前回に続いて『ターミネーター』シリーズの情報で、新作
の題名を、“Terminator Salvation: The Future Begins”
とすることが、製作会社のハルシオンから発表された。
物語は、既報の通り『T3』の続きとなるもので、脚本も
『T3』のジョン・ブラッカトーとマイクル・フェリスが担
当しているが、新作は新3部作の開幕となるものなので、通
し番号は付けないのだそうだ。今後『T4』と呼ぶと、ちょ
[5]続きを読む
10月15日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る