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On the Production
by 井口健二
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■モーテル、ルイスと未来泥棒、ヒッチャー、肩ごしの恋人、PEACE BED、全然大丈夫、真・女立喰師列伝
らは、2人だけの日本旅行も誘われている。
一方、ヒスは富豪の実業家と結婚。しかし独身時代からセク
シーさがモットーの彼女は、今も夫の金で身体に磨きを掛け
ている。そして、夫の浮気は男の甲斐性と言って意に掛けな
い様子だったが…
このジョンワンを、『恋愛中毒』のイ・ミヨンが以来5年ぶ
りの主演でスクリーンに本格復帰。ヒスはテレビ『噂のチル
姫』で人気沸騰のイ・テランが映画初出演で演じている。
そして、そんな2人がいろいろな出来事の中で自分の人生を
見直す物語が、ソウル各地の豪華なホテルや、ショッピング
モール、カフェ、バーなどを背景に展開する。
日本で言ったらちょっと昔のトレンディドラマといった感じ
なのかな、一般庶民にはあまり縁のなさそうな豪華なお店が
次々に登場して、そんなものに憧れる庶民の心をくすぐる感
覚。まあ日本人としては、観光気分ということでも楽しめそ
うだが。
僕自身としては、身近な感じもする『ソンナ…』の方が好ま
しい感じのところもあったが、映画は夢を売るものでもある
訳だから、その意味では、この韓国映画は数段上を行ってい
る感じもするものだ。
なお、唯川原作の映画化では、2005年2月に紹介した『フィ
ーメイル』の中の1篇が強烈な印象だったが、本作はそれに
比べると大人しい。韓国映画だからといってそれを期待した
方が間違いだったかも知れないが。

『PEACE BED』“The U.S. vs. John Lennon”
1972年のニクソン再選に絡んで、ニクソン政権がジョン・レ
ノンに対して行った国外退去命令と、それに対するレノンの
反抗を中心に描かれたドキュメンタリー。オノ・ヨーコの全
面的な協力により、史上初公開の映像や音源なども挿入され
ている。
1971年12月10日、先に麻薬所持の囮操作で逮捕された反戦詩
人ジョン・シクレアを支援するコンサートに出演したレノン
とヨーコは、全米に生中継された舞台上で、その日のために
作曲した「ジョン・シンクレア」を披露する。
そのコンサートは、ヴェトナム反戦運動家ジョン・ルーヴィ
ン主催によるもので、会場ではFBIの捜査官が歌詞をメモ
取りもしていた。そんなコンサートに登場したレノンとヨー
コは、反アメリカ分子としてFBIにマークされて行くこと
になる。
それより先にレノンとヨーコは、1969年に新婚旅行先のアム
ステルダムでBed Inを敢行し、そこで反戦歌のGive Peace a
Chanceを発表。さらに、世界12大都市にWar Is Over If You
Want Itのポスターを自費で掲出するなど反戦の態度を鮮明
にしていた。しかし、その一方でニューヨークを愛し、アメ
リカ永住も希望していた。
そんなレノンとヨーコに、合衆国政府は1968年のマリファナ
不法所持による逮捕歴を基に国外退去を命じる。しかし、レ
ノンはその逮捕は冤罪だったと主張。法廷闘争を繰り広げる
ことになる。
そしてレノンは、自分がルーヴィンらに利用されていたこと
にも気付いて行く。こんな合衆国と、ジョン・レノンの関係
が描かれる。
作品は、アーカイヴの映像だけでなく、オノ・ヨーコへの現
在のインタビューや、シンクレア、『7月4日に生まれて』
のロン・コーヴィック、アンジェラ・デイヴィス、さらにブ
ラック・パンサー党のボビー・シールや作家のゴア・ヴィダ
ルなどへの取材で構成されるが、当時は見えなかったいろい
ろな事実が明らかにされて行くのは興味深かった。
特にヨーコとレノンの関係については、正直に言って当時、
「なぜ彼女なのか」という風にも思っていた僕にとっては、
2人の本当の関係が理解できて、それも素晴らしかった。
なお映画の中には、レノン作品を中心に39の楽曲が登場し、
これも聴きものとなっている。

『全然大丈夫』
劇団大人計画で劇中映像などを手掛けていた映像作家、藤田
容介の脚本・監督による作品。大人計画の荒川良々主演、岡
田義徳、木村佳乃共演によるドラマ。
住居一体の古本屋を主な舞台に、ちょっと悪ふざけが好きな
主人公と、それに振り回され続けている友人、そこに現れた

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10月10日(水)
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