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On the Production
by 井口健二
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■第139回
 将来的にはいろいろ作品も噂されているパフォーマンス・
キャプチャーによるアニメーション3Dということで、順調
に軌道に乗ってくれることを期待したいものだ。
        *         *
 『バベル』や『アモーレス・ペロス』などアレハンドロ・
ゴンザレス・イニャリトウ監督作品を手掛ける脚本家のギレ
ルモ・アリアガが監督デビューすることになり、その作品の
“The Burnung Plain”に、シャーリズ・セロンの出演と、
製作総指揮も担当することが発表された。
 物語は、異なる場所と異なる時間を背景に、愛による癒し
や、許し、救済などを求める人々の姿を描くというもので、
その中でセロンが演じるのは、荒れた子供時代を過ごした後
に両親との間で共通の場所を見つけ出そうとするキャラクタ
ーとされている。撮影開始は11月の予定で、製作費は2000万
ドル以下、配給会社や公開時期などは未定とのことだ。
 因にアリアガは、テレビやドキュメンタリーなどでの監督
の実績はあり、元々は10代の頃に舞台劇の監督を務めたのが
キャリアの出発点だったそうだ。そのアリアガが、「脚本の
仕事を11年間やって来て、そろそろ自分のために一つぐらい
書きたくなった」という作品。
 スタイルはイニャリトウ作品とも共通するものになりそう
だが、製作を担当するウォルター・パークスは、「物語への
アプローチはギレルモ独自のもので、彼は新しい物語の描き
方を創造しようとしている。この脚本はその新たなレヴェル
を示すものだ」と作品への期待を寄せている。
 なおパークスは、ティム・バートン監督、ジョニー・デッ
プ主演の“Sweeney Todd”の製作が、ヴェニス映画祭での上
映に向けて追い込みに入っているところのようだ。
        *         *
 “Indiana Jones IV”の撮影開始は、日本のテレビなどで
も報道されていたようだが、そのロケーション撮影はすでに
完了して、撮影隊はスタジオに移動したようだ。そこで、製
作者のフランク・マーシャルから公式の声明が発表された。
 その声明によると、この第4作ではCGIエフェクトを用
いないことが表明されている。これはスピルバーグ監督が、
もはや古典とも言える前3作のイメージを壊したくないと考
えているためで、「スティーヴンは、撮影のプロセスに非常
に気を使っており、CGでそれを飾ることは考えていない。
B級映画の感覚を保っているものだ」とのことだ。
 元々『インディ・ジョーンズ』は、特撮中心の『スター・
ウォーズ』に対向して、スタント中心に企画されたシリーズ
だったのから、最近のCGIで飾ったスタントにしたくない
ことは判るところだ。でも、それでハリソン・フォードは大
丈夫なのかな?という辺りは心配になる。もちろん安全性な
どの面でのCGIの使用は拒否しないと思うが、見ていて有
り得ないと思うようなシーンは無いことになりそうだ。
 一方、1989年の『最後の聖戦』以来、19年ぶりとなる新作
には各業界のタイアップも目白押しで、まずファストフード
は日本にも再上陸の始まったバーガー・キングが契約。また
お菓子はチョコレートのM&Msの契約が発表されている。
さらにホールマーク社のグリーティングカードや、玩具には
Hasbroのアクションフィギアと、レゴも登場するようだ。
 一方、出版物では、ランダムハウス、Scholastic、DK出
版などがノヴェライズや関連図書の刊行を手掛ける。さらに
ルーカスアーツからヴィデオゲームの発売もある。
 来年5月22日の全米公開に向けて、アメリカはかなり過熱
することになりそうだ。
        *         *
 先週全米公開の始まったミュージカル版“Hairspray”に
主演のザック・エフロンに対して、今度は1984年のパラマウ
ント作品“Footloose”のリメイクへの主演の計画が進めら
れている。
 オリジナルは、『愛と喝采の日々』などのハーバート・ロ
ス監督が、主演のケヴィン・ベーコンを一躍ブレイクさせた

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07月15日(日)
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