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On the Production
by 井口健二
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■第137回
ところが、映画製作の遅れでその思惑は外されたもので、
さらに今回の監督変更では、キャスティングが踏襲されるか
否かも不明のようだ。ただし、この主演にはジョンスンも大
きな期待を持っているようで、前後の経緯を考えれば、主演
の変更は少なそうだ。
なお、アンダースン監督の次回作には、第84回で紹介した
1975年のロジャー・コーマン製作作品『デスレース2000年』
をリメイクする“Death Race”が、同じくユニヴァーサル製
作で予定されている。前回の報告ではクルーズ/ワグナーの
製作でパラマウントの企画だったが、移管されたようだ。
* *
お次ぎは映画製作の情報ではないが、ロサンゼルス郊外の
カルヴァシティにあるソニーピクチャーズスタジオが、9月
28日までの期間限定で、毎週木曜日夜6時30分スタートの夜
間スタジオ見学ツアーを実施すると発表した。
ハリウッドのスタジオ見学ツアーは、巨大アトラクション
と化したユニヴァーサルスタジオが有名だが、その他の各社
でも実施はされている。その中でソニースタジオは、1915年
にD・W・グリフィスとマック・セネットが設立したインス
/トライアングルスタジオを起源とし、1924年にはサミュエ
ル・ゴールドウィンが買収、MGMスタジオとして数々の名
作を生み出した老舗スタジオだ。従って今回は、『オズの魔
法使い』から『スパイダーマン3』までを生み出したスタジ
オという宣伝文句になっている。
しかもこのツアーは、現在使用中のステージを徒歩で見学
するというもので、実際に映画やテレビの撮影現場に遭遇す
ることもある。また、『オズの魔法使い』のYellow Brick
Roadが作られたステージ15や、1940年代初期にに水着の女王
エスター・ウィリアムスが水しぶきを上げたステージ30など
も見学の対象となっており、さらに『ゴーストライダー』の
バイク、『ゴーストバスターズ』のプロトンパック、『メン
・イン・ブラック』のニューラライザー、『ダヴィンチ・コ
ード』のクリプテックスなどの小道具、さらにオスカー像な
ども展示されているそうだ。
参加費は25ドル、12歳以上であれば子供もOKということ
で、時間までにカルヴァシティのソニープラザビルディング
のロビーに行けば、予約も特に必要はなさそうだ。因に、月
曜から金曜までの午前と午後2回ずつの昼間のツアーは通年
行われている。また、参加者はプラザの地下駐車場が無料で
使用できるそうだ。
* *
『ブレイド』シリーズや『バットマン・ビギンズ』も手掛
けた脚本家のデイヴィッド・ゴイヤーが、H・G・ウェルズ
原作の“The Invisible Man”(透明人間)を、脚本監督で
映画化する計画を発表した。
この原作の映画化では、1933年製作のジェームズ・ホエー
ル監督、クロード・レインズの主演作が古典として知られる
ものだが、今回の計画は、その古典の製作会社でもあったユ
ニヴァーサルで進められるもので、正当な後継作品と言えそ
うだ。ただし計画は、原作をそのままリメイクするものでは
なく、オリジナルの科学者の甥に当る主人公が叔父の研究資
料を発見し、自ら透明化の手段を完成させる。そしてその甥
は、第2次世界大戦の戦時下のイギリスで、諜報組織MI5
のメンバーとして活躍する…という展開になるようだ。
透明人間の物語では、2000年のポール・ヴァホーヴェン監
督作品“Hollow Man”(インビジブル)でも、透明になった
人物は精神的におかしくなるというのが定番だが、ゴイヤー
版はどうなるのだろうか。因にゴイヤー自身は、「僕はウェ
ルズの原作も、ユニヴァーサルの映画化も同じ位に好きだ。
今こそそのイメージを再構築する機は熟したと感じる」と、
計画への意欲を語っていたそうだ。
なおゴイヤーは、2004年の『ブレイド3』の他、スウェー
デン映画をリメイクした幽霊物の“Invisible”の監督を終
えたところで、さらに『Xメン』からのスピンオフ作品で、
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06月15日(金)
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