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On the Production
by 井口健二
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■夕凪の街桜の国、明るい瞳、パンズ・ラビリンス、アーサーとミニモイの不思議な国、JUST FOR KICKS、リーピング、天然コケッコー
いたヴィジュアルコンセプトがあり、そこからベッソンが物
語を考えて小説として発表。さらにそれを元のヴィジュアル
に従って映画化したのが本作ということだ。しかもベッソン
は、2002年の小説の発表以来、この映画化に掛かり切りだっ
たという。
因に、ベッソンはこの作品を監督第10作とし、当初の予定で
は10本で監督業を引退するとしていたものだが、本作の作業
が一段落したときに思いついたアイデアで、昨年3月紹介の
『アンジェラ』を監督したので、本作は第11作となった。
本作発表後には、またぞろ引退を言い出しているようだが、
本作は本国フランスで650万人動員の大ヒットを記録してお
り、続編への期待も大きいようだ。
物語は、アメリカの片田舎で祖母と一緒に暮らす少年が主人
公。ある日、彼は屋根裏部屋で祖父のアルバムを見つける。
そこにはいろいろな発明のアイデア共に、アフリカでの生活
が綴られ、ミニモイという種族の王女の写真もあった。
ところが祖父は数年前に突然姿を消し、以来祖母と2人で必
死に頑張ってきたが、ついに地代の未払いで「3日以内に支
払わなければ立ち退き」を命じられてしまう。その時、祖母
は祖父が裏庭に埋めたという財宝のことを口にする。
そこで主人公は祖父が残したヒントを元に、その財宝を探し
出すことを決意するが…。それは彼をミニモイの国での大冒
険に誘うことになる。
この主人公を『チャーリーとチョコレート工場』のフレディ
・ハイモア、祖母役をミア・ファーロウが演じる実写シーン
と、主人公も含めてオールCGIで描かれたミニモイの国の
シーンが、要所々々で交互に登場するものだ。
物語全体は見事にファミリー・ピクチャーの作りで、大人の
目で見ていると、前半などは多少まだるっこしいところもあ
るが、対象年齢はかなり低めに設定されていると思われるの
で、それは仕方のないところだろう。
ただし、後半のアクションになると、さすがにベッソン監督
作品という感じで、スピード感もあり、大人にも充分に楽し
めるところとなる。その他、いろいろな発明品を応用したミ
ニモイの国の楽しさも満足できるものだ。
また、ミニモイの国の登場人物の声を、マドンナ、デイヴィ
ッド・ボウイ、スヌープ・ドッグ、ロバート・デ=ニーロ、
アレン・ホイスト、チャズ・パルミンテリらが担当し、特に
マドンナの若々しい声には感動した。
なお、今年1月15日のホームページで紹介したように、本作
は原作の2冊目までを映画化しているもので、原作はその後
に2冊の計4冊が発表されている。今後は残る2作の映画化
をベッソン自身が行うかどうか…というものだ。

『JUST FOR KICKS』“Just for Kicks.”
今では誰もが気軽に履いているスニーカー。そのスニーカー
が、若者文化のIconになるまでを描いたドキュメンタリー。
と言っても、スニーカーの機能の進化とか、スポーツとの関
り合いなどを描いたものではなく、正にカルチャーの側面で
描いたところがユニークな作品だ。
スニーカーは、元々ストリートのブレイクダンサーが、踊り
易いということで街で履き始めたようだが、一方、刑務所で
は安全のため靴紐を抜かれたスニーカーが用いられ、それが
出所後も愛用されたなど、いろいろな前史が語られる。
そしてブームは、1980年代前半、R&BグループのRUN−
DMCが、My adidasという曲を発表し、マジソンスクエア
ガーデンに2万人を集めたコンサートで、観客たちが履いて
いたadidasを振り上げて熱狂。それを招待されたadidas社の
広報担当者が目撃して、いままでは運動選手しか使わなかっ
たCMに彼らを採用したことが始まりとされる。
それにNikeなどが追随して行くことになるものだが、つまり
仕掛け人はミュージシャンの側だったということのようだ。
勿論そこにはエアジョーダンの存在も語られるが、全体的に
はR&Bやラップのアーチストたちの存在が大きかったと説
明される。
さらにドキュメンタリーは、コレクターの姿に迫り、ここで

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04月30日(月)
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