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On the Production
by 井口健二
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■第132回
の映画化を、『もしも昨日が選べたら』のニール・H・モリ
ッツの製作によりコロンビアで進めることが発表された。
 この映画化については、以前にはミラマックスでの計画を
報告したものだが、結局この計画は、ワインスタイン兄弟が
ミラマックスを離れたことでキャンセルされたようだ。そし
て今回は、その権利をモリッツが獲得し、彼が本拠を置くソ
ニーでの再出発となったものだ。
 因に、作品の起源は1936年にスタートしたラジオ番組で、
西部のローン・レンジャーの遠縁という設定のマスクを着け
たヒーローが主人公。その後にコミックブックや連続活劇に
展開され、1960年代にはヴァン・ウィリアムス主演でブルー
ス・リーが助手カトー役で出演したテレビシリーズが好評を
博した。実は、今回の計画を進めるモリッツは、そのテレビ
シリーズの大ファンだったとのことだ。
 なおモリッツは、最近では『もしも明日が…』の他にも、
『ブルース・オールマイティ』の続編の“Evan Almighty”
を手掛けるなど、コメディ作品での話題作が多いが、元々は
『ワイルド・スピード』シリーズなど男性アクションが得意
分野だった製作者で、その線での期待も高まるものだ。
 またこの計画では、以前にはジョージ・クルーニー主演で
かなり進んでいたが、1997年『ピースメーカー』への出演が
決まったためにキャンセルされた経緯があり、また他にも、
マーク・ウォールバーグやジェイク・ギレンホール主演の計
画もあったそうだ。一方、ジェット・リーがカトー役で出演
するという情報もあった。
 今回はこれらの過去の経緯には縛られないものだが、リー
のカトー役は見てみたいところだ。また、ソニーでは、今年
5月で一応の終了を迎える“Spider-Man”の後釜企画として
の期待もあるようだ。
        *         *
 続けてモリッツの製作で、1981年にジョン・カーペンター
監督で公開された“Escape from New York”(ニューヨーク
1997)をリメイクする計画が発表されている。
 この計画は、『ブラックホーク・ダウン』のケン・ノーラ
ンが新たな脚本を執筆し、『300』が大ヒットを記録した
ばかりのジェラルド・バトラーが、オリジナルでカート・ラ
ッセルが演じた片目の囚人スネイク・プリスケンに扮すると
いうもので、実はモリッツ、ノーラン、バトラーをセットに
して、企画全体がオークションに掛けられていた。そして、
その権利をニューラインが獲得したということだ。
 物語は、犯罪者の急増でマンハッタン島全体が刑務所とし
て運用されるようになった未来社会(オリジナルの設定では
1997年だった)を背景に、大統領専用機が故障し、大統領を
載せた救命ポッドがその中心部に不時着したことに始まる。
そしてその身柄を守るため、成功したら無罪放免を取り引き
材料に囚人の男が救出に向かうが…というもの。
 大統領をドナルド・プレザンスが演じて、結末がちょっと
あっけなかった記憶があるが、アクション映画としては話題
になった作品だ。
 また1996年には、同じくカーペンター監督、ラッセルの共
同脚本と主演で、地殻変動で島になり犯罪者の巣窟となった
ロサンゼルスに、拉致された大統領の娘を救出に向かうとい
う続編『エスケープ・フロムLA』(設定は2013年)も作ら
れた。
 今回は、その第1作のリメイクということだが、バトラー
主演の『300』が第1週の週末だけで7000万ドルという好
スタートで、期待は高いようだ。
        *         *
 次もリメイクの計画で、1978年にジョー・ダンテが監督し
た“Piranha”の再映画化を、『サランドラ』のリメイクを
成功させたアレクサンドル・アジャの脚本と監督で進めるこ
とが、ワインスタインCo.傘下のディメンションから発表さ
れた。
 オリジナルは、1975年公開の『ジョーズ』のパロディとし
て発表されたもので、ジョン・セイルズが脚本を担当。アマ
ゾン河に生息する肉食魚が密かに軍事用に改良され、それが

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04月01日(日)
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