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On the Production
by 井口健二
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■ドリーム・クルーズ、ABonG、不完全なふたり、プレステージ、ストリングス、ハリウッドランド、Academy
その演技中に事故が起き、その場に居合わせたもう一人のマ
ジシャンは殺人者として告発され、厳重な監視の下、収監さ
れることになる。
何しろマジシャン同士の話だから最初から最後までトリック
の連続で、何が真実かは最後の最後まで判らない。しかも、
展開はかなり過激で、そんな物語を『メメント』のノーラン
監督が実に楽しげに描いている。
それにしても…凄いと言えるSF作品だ。
テスラに関しては9月に横浜で開催される世界SF大会で、
新戸雅章さん紹介による彼の業績に基づくパフォーマンスも
行われる予定だが、エジソンと対決した実在の科学者で発明
家。その役を、『地球に落ちてきた男』のボウイが演じてい
るというのもニヤリとするところだ。
因に、題名は「プレッジ」「ターン」「プレステージ」と続
くマジックの展開を示す用語で、その最終段階を指すもの。
元はフランス語の「奇術、魔法」の意味の言葉から、転じて
「偉業、名声、威光」といった意味になっているそうだ。

『ストリングス〜愛と絆の旅路〜』“Strings”
2004年、デンマーク製作のマリオネット映画。
マリオネットと言われると、『サンダーバード』を筆頭にす
るスーパーマリオネーションが代名詞のようになってしまっ
たが、自分の子供の頃の思い出としては、NHKで放送され
た『宇宙船シリカ』や、小松左京原作の『空中都市008』
が懐かしいところだ。
そんなマリオネットを現代に甦らせた作品。しかもこの物語
がかなり凝っている。
舞台は、中世の雰囲気漂うヘバロン王国。その国の住人は、
ペットの鳥も含めてすべてマリオネットという世界だ。彼ら
は天からの糸に繋がれ、頭の糸を切ると死んでしまう。しか
し、その糸は天で一つになり、お互いはその糸で繋がってい
るとも言われる。
その国では、数百年に亙って戦いが続いていた。ところが、
あるとき国王が自分の頭の糸を切って自害し、息子の王子に
和平の想いが託される。しかしそこに好戦的な王の弟が介在
し、王の自害は暗殺に偽装される。そして王子は、復讐の旅
に出ることになるが…
マリオネットの頭に繋がれた糸が、人形の基本の位置を定め
る重要な糸だということは聞いたことがある。それを生命線
に準える。そんなマリオネットの特徴が物語の中にいろいろ
と盛り込まれている。
その他にも、城への出入りを封じるという場面で、鴨居のよ
うな横木が城門に迫り上がってきたときには、昔のテレビ番
組でドアを開けるとその上の壁まで開いていたのを思い出し
て、思わず笑ってしまった。
一方、実写されるマリオネットの特性を活かして、撮影には
本物の水や火も使用され、CGIとは違った映像を作り出し
ている。何しろ屋根がないから、雨が降ると皆ずぶ濡れとい
うのは、間違いなくマリオネットの世界という感じだ。
因に、映画のキャッチコピーは、「一緒に見れば、大切な人
と結ばれる!あなたは誰とつながっていますか?」なのだそ
うで、自分の年齢ではさすがにちょっと恥ずかしいところも
あるが、お話はその通りのものだ。
なお、日本公開は吹き替え版のみで行われ、その声優には人
気アイドルらが起用されているものだが、英語版は、『ナル
ニア』でタムナスさんを演じたジェームズ・マカヴォイや、
『サウンド・オブ・サンダー』や、『ルネッサンス』でも声
優を務めたキャサリン・マコーマク。
さらに、『トロイ』に出演のジュリアン・グローヴァ、『ゴ
スフォード・パーク』のデレク・ジャコビー、『ネバーラン
ド』でサー・コナン・ドイル役のイアン・ハート、『ブリジ
ット・ジョーンズの日記』のクレア・スキナー。
また、『ブラッド・ダイアモンド』のデイヴィッド・ハーウ
ッド、ブロスナン版の007でマニーペニーを演じたサマン
サ・ボンドといった顔ぶれが共演しているようで、この英語
版も聞いてみたくなるところだ。

『ハリウッドランド』“Hollywoodland”
製作ニュースの第72回と第82回で“Truth, Justice and the

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03月31日(土)
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