ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ボンボン、女帝、フランドル、キャラウェイ、それでも生きる子供たちへ、300、ルオマの初恋、イノセント・ワールド
これはちょっとやられたという感じがしたものだ。
でもこれは、短編集としてはルール違反な感じもするところ
で、ショートフィルムの鬼才という冠が付いている監督の作
品としては、その辺でちょっと引っ掛かりもした。
まあ、若い人にはこれで受けるのかも知れないが、ここから
何かが生み出されてくるものとも思えない。特に今回の仕掛
けは、一度目は良いが、二番煎じを見たら多分腹を立てるこ
とになりそうな代物だ。
ただし、今回の仕掛けも含めた作品全体の感性みたいなもの
にはちょっと注目したいところもあるので、次の作品(でき
たら長編)を見てみたい。そして仕掛けに関しては、取り敢
えずしばらくは封印してもらいたいものだ。
なお、脚本は雫高徳という名義になっているが、この人の紹
介がプレス資料になかった。仕掛けの部分との関係も含めて
この脚本家のことも気になった。

『それでも生きる子供たちへ』
            “All the Invisible Children”
イタリアの女優の呼びかけから、ユニセフとWFPの協賛で
製作された世界中の過酷な境遇の中で切らす子供たちを描い
たオムニバスドラマ。この呼びかけに、スパイク・リー、リ
ドリー・スコット、それにジョン・ウーらが共鳴して、それ
ぞれの国を舞台にした7本の作品が作られた。
その1本目は、アフリカを舞台に、12歳の少年兵の姿が描か
れる。2本目は、セルビア・モンテネグロを舞台にした刑務
所を出所したばかりの15歳の少年と子供を使った窃盗団の物
語。3本目は、アメリカを舞台に両親が麻薬常習者でエイズ
の10代の少女の物語。
4本目は、ブラジルを舞台に、空缶や段ボールを集めて小銭
を稼ぎ暮らしている兄と妹の物語。5本目は、戦場での体験
による幻覚におびえるイギリス人カメラマンの物語。彼は故
郷の森で出会った子供たちに導きで、戦時下の子供たちのし
たたかな姿を知る。
6本目は、イタリアを舞台に、ナポリの窃盗団の下っ端とし
て働く少年の物語。そして7本目は、中国を舞台に裕福だが
両親が離婚した家の少女と、道端に捨てられ貧しい老人に拾
われた少女の物語。
これらの物語が、それぞれの国の監督の下、それぞれの現地
で撮影されている。ただし、アフリカ編はアルジェリア出身
のフランス人監督によってブルキナ・ファソで撮影されたも
のだが、内容は監督の実体験に基づいているようだ。
7本の中では、リドリー・スコット(娘のジョーダンとの共
同監督)の作品が、ちょっとファンタスティックな描き方で
他とは違った雰囲気になるが、他の作品はそれぞれ現実に則
した出来事を描いている。
一方、セルビア・モンテネグロとイタリア、ブラジルの作品
は多少似た感じになっているが、結局子供の不幸の裏には、
大人の思惑が絡んでいるというのは、共通の認識になるよう
だ。それはアフリカの物語にも共通するかも知れない。
それに対して、アメリカと中国の物語は、他の作品とは違っ
たそれぞれの国の深刻な現状を描いている。そしてドラマと
しての作品の質も高く、さすがにスパイク・リー、ジョン・
ウーの作品という感じがした。
因に、この作品の収益金は、ユニセフとWFPに寄付される
ということだ。

『300』“300”
100万のペルシャ軍に戦いを挑んだ300人のスパルタ精鋭部隊
の物語。『シン・シティ』の映画化では共同監督問題で物議
を醸したフランク・ミラーが、1998年に発表した自作の歴史
グラフィックノヴェルを自らの製作総指揮で映画化した。
古代ギリシャの王国スパルタ。そこでは、数々の掟に基づい
て子供たちを訓練し、勇猛果敢な兵士に育てる伝統が守られ
ていた。そして現王レオニダスは美しい妻と共に、その国を
治めていた。
そこに、東方アジアの国々を支配するペルシャが、その矛先
をギリシャに向けたとの報が届く。それを聞いたレオニダス
は、スパルタ軍を率いて迎え撃つ作戦を立てるのだが、折悪
しくスパルタは神々への感謝を表わす祭礼の時期に在り、そ
の出兵は神官たちに禁じられてしまう。

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03月20日(火)
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