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On the Production
by 井口健二
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■第131回
5400万ドル程度で問題なかったが、内容面で各社が難色を示
していた。その中で、フォックスが大幅な書き直しを要求し
たという情報があったものが、実際には同社CEOのトム・
ロスマンから書き直しの示唆があったということで、その示
唆に従って書き直しを行ったところ、今度は各社からの申し
入れが殺到したのだそうだ。
 しかしロスマンへの義理立てと、内容的に『インディペン
デンス・デイ』や『デイ・アフター・トゥモロー』などにも
つながる終末もので、その種の作品の宣伝ノウハウを知る同
社が最適と考えられたようだ。なお、具体的な書き直しは、
恐怖心を煽るような描写の強化だったようで、このため本作
はシャマラン初のRレイト作品になるだろうとのことだ。
 また、今回の計画では、『シックス・センス』『アンブレ
イカブル』を共に作り上げた製作者バリー・メンデルが再度
製作に加わることになり、彼の意見も有効だったようだ。
 因にシャマランは、「他人の意見に聞く耳を持たなかった
つもりはないが、一つの場所に安住して他人の意見を聞く状
況にもなかった。しかし今回は、脚本を持っていろいろなス
タジオを回り、いろいろな意見交換をして、それが認めても
らえることになった。」と、今回の経験を前向きに評価して
いるようだ。
 一方、シャマランは、第127回で紹介した“Avatar: The
Last Airbender”の計画もパラマウントで進めているものだ
が、その脚本はまだ執筆中で、その作業は8月にフィラデル
フィアで開始される“The Happening”の製作に並行して続
けるとのことだ。なお“The Happening”の公開は、2008年
6月に予定されている。
        *         *
 次はユニヴァーサルが、“Three Men Seeking Monsters:
Six Weeks in Pursuit of Werewolves,Lake Monsters,Giant
Cats,Ghostly Devil Dogs and Ape-Men”という本の映画化
権を獲得、“Napoleon Dynamite”などのジョン・ヘダーの
主演で映画化することを発表した。
 この原作は、ニック・レドファンというイギリス人が執筆
して、アメリカでは2004年に出版されたものだが、実はこの
レドファンは、cryptozoologist(未知動物学者)と呼ばれ
ている人だそうで、UFOやミステリーサークルなどの研究
でも知られている人物のようだ。
 しかもこの原作では、これらの未知動物が次元の異なる世
界の生物だと結論付けているとのことで、これはかなりやば
そうな雰囲気のものだ。因にアメリカの報道でこの原作は、
3人の男が主人公の小説となっていたが、イギリスの読者は
そうとは取っていないようで、その辺も微妙なところだ。
 なお、アメリカの報道に掲載された概要では、今まで別々
にモンスターやUFOを追っていた3人の男が、一致協力し
てイギリス各地のモンスターやUFOの出現スポットを調査
するというもの。そしてイギリス側の紹介では、3人の内の
1人がレドファンで、地元住民へのインタヴューなどの調査
の様子が記録されたものということだ。
 この原作をどのように映画化するかは明らかではないが、
少なくともヘダーはコメディ映画中心で活躍している人で、
今回の映画化にはジョンの他に、ダグ&ダンのヘダー兄弟も
企画に参加しているということだから、多分、誰もが想像す
るところは間違いないと思われるものだ。
 一方、関連の情報では、ずばり“The Cryptozoologist”
と題された計画がニューラインで進められていて、こちらは
デイヴィッド・ジルクレストという脚本家のオリジナル作品
の映画化。上記のようなモンスター・クリーチャーが、突然
サンフランシスコに出現するというお話だそうだ。
 この2作品、物語的には全く異なるものだが、この手のモ
ンスター・クリーチャー物がブームになる可能性もありそう
で、これはちょっと楽しみなことだ。
        *         *
 第128回で紹介した2008年公開のピクサー作品“Wall-E”
について、少し詳しい内容が報告された。

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03月15日(木)
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