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On the Production
by 井口健二
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■あなたになら言える秘密のこと、鉄コン筋クリ、硫黄島からの手紙、Mr.ソクラテス、インビジブル2、カジノ・ロワイヤル、百万長者の初恋
その一方で、「硫黄島を守る栗林中将」という歌が作られ、
ラジオで放送されていたということにも驚かされた。
なお、映画では主人公に赤紙が来るシーンや内地での憲兵隊
の横暴を描くシーンが、まるで日本映画のように描かれ、イ
ーストウッドが、その辺も実に良く準備研究したことが理解
できた。そんな日本人の心に立った作品とも言える。
渡辺以外の出演者は、兵卒役の二宮和也、1932年のロサンゼ
ルスオリンピック馬術で金メダルに輝いたバロン西役の井原
剛志、他に加瀬亮、中村獅童、裕木奈江ら。年内のアメリカ
公開が実現したら、二宮の助演賞候補は有り得そうだ。
『Mr.ソクラテス』(韓国映画)
ヤクザのチンピラが、警察組織内に足掛かりを作ろうとする
ボスの手引きでスパルタ教育を受け、警察官になる…という
お話。最近どこかで聞いたような話だなあ、と思いつつも、
しかしそこからの物語は全く違うと言うか、一捻りも二捻り
もあって本当に面白かった。
前半は、主人公が連れ込まれる謎の学校での異常なスパルタ
教育ぶりが描かれるが、元々チンピラで勉強など嫌いなはず
の主人公が、目的も聞かされずに、しかも猛勉強をするよう
になる過程を、それなりに納得できるように描いているとこ
ろが見事な脚本だ。
さらに後半では、最初は交通警官の主人公が刑事に抜擢され
て行く経緯や、最後の真相を突き止めるまでの展開、またそ
れを彩るアクションなども丁寧に描かれていて、この辺は本
当に映画をよく判っている人の仕事だという感じがする。
何しろ、拷問とも言える前半のスパルタ教育も映像的だし、
後半は主人公の疾走シーンや銃撃戦、その他のアクションも
盛り沢山に、しかもタイミング良く織り込まれていて、観客
を飽きさせない工夫が随所に見られるものだ。
しかも全体はコメディを基調として気楽に楽しめるようにな
っているが、スパルタ教育で実際に描かれる教育の内容は、
物理法則の説明などもそれなりに理に叶っているなど、細か
い点にも良く配慮が行き届いている。
脚本・監督のチェ・ジノンは本作が第2作。本作の準備には
3年を費やしたということだが、周到な準備が充分に活かさ
れた作品とも言えそうだ。
出演は、主人公に『マイ・リトル・ブライド』などの恋愛も
ので人気を得ているキム・レウォン。前作は2005年4月に紹
介しているが、基本的には甘いマスクに、今回はかなりワイ
ルドな感じも出ていてファンには喜ばれそうだ。
他には、スパルタ教育先生役のカン・シニル、主人公の先輩
刑事役のイ・ジョンヒョク、悪徳弁護士役のユン・テヨウら
が良い味を出していた。なお、この種の話で女っ気がほとん
ど無いというのも、最近では珍しい作品と言えそうだ。
『インビジブル2』“Hollow Man 2”
2000年にポール・ヴァーホーヴェン監督によって映画化され
た透明人間物の続編。本作でヴァーホーヴェンは製作総指揮
を務めている。
前作で軍の秘密研究として進められていた人間の透明化の実
験は、透明化には成功したものの、被験者を元に戻すことが
できず、さらに被験者の精神状態が徐々に変調して、殺人鬼
になって行く過程が描かれた。
透明人間が精神に変調を来し殺人鬼になって行くという考え
は、元々のH・G・ウェルズの原作にもあるもので、その意
味では2000年の作品は、ウェルズの原作を正統に継承した映
画化だとも言えたものだ。
そしてその続編では、軍が継続した研究はすでに成功の域に
達しているという設定で始まる。しかしある事情で、被験者
というか透明化して特殊任務に着いた男が、軍に反抗して逃
亡しているというものだ。
この透明になった逃亡兵をクリスチャン・スレーターが演じ
るが、実は主人公は彼ではなく、その後を追う刑事と元軍の
研究員だった女性科学者が主人公になる。特に、この女性科
学者が、あるときは囮とされ、またあるときは研究者として
逃亡兵に立ち向かって行く展開だ。
その刑事役は、『サキュー・ボーイズ』などのピーター・フ
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11月20日(月)
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