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On the Production
by 井口健二
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■ミートボール・マシン、キャッチボール屋、グエムル、セプテンバー・テープ、ザ・フォッグ、鬘、ニキフォル、日本以外全部沈没
系俳優として活躍しているワリ・ラザキという作品だ。
しかし、撮影は現実のアフガニスタンで行われており、登場
する武器商人や賞金稼ぎ、それに警官なども、事前の協力は
得ているものの全て本物ということで、使用されている銃器
にも実弾が込められているという。
また、撮影されたテープは帰国時にアメリカ国防総省に提出
を求められ、その内のムジャヒディンの戦士との会見を撮影
した8時間分が未返還のままとも言われているものだ。
本作が2004年にアメリカで公開されたときには、『ブレア・
ウィッチ・プロジェクト』のポリティカル版という言い方も
されていた。確かに描き方を踏襲している部分は多々見られ
る。しかし僕には、それが損か得か判らなくなってしまうと
ころだ。
恐らく監督は『ブレア…』からこのコンセプトを思いつき、
そのアイデアに従って忠実に完成させたもので、それはそれ
でも良いのだが。しかし、折角危険を犯してここまで撮影し
ながら、ホラー映画の亜流のように見られてしまうのは、も
ったいない感じもしてしまう。
確かに、ヴィデオ撮影の映像は画質の良いものばかりではな
いが、それでも工夫をすればもっとストレートな物語を作れ
たのではないか。しかしこの構成では、亜流に見えることは
否めないし、逆にアフガニスタンで撮影されたことも疑って
しまうことにもなる。
もちろん、監督に言いたいことはエンディングにあるから、
それを活かすためにはこの構成は外せない物ではあるが…。
その前に『ブレア…』があったことがこの作品の不幸だった
のかもしれない。ただし、それなしにこの構成を思いつけた
かどうかは判らないが。

『ザ・フォッグ』“The Fog”
1980年製作のジョン・カーペンター監督作品のリメイク。オ
リジナル版の脚本家で、監督の盟友でもあった故デブラ・ヒ
ルが死の直前まで製作に携わった作品で、クレジットには彼
女への献示も掲げられている。
1980年のオリジナルは当時見ているが、全体の恐怖演出は良
かったものの、結末で明らかにされる真相があっけなくて、
僕自身はちょっと肩空かしな印象を持った記憶がある。
そんな訳で今回は、予め結末というか、因縁話の部分は了解
して見ていたものだが、今回はその因縁話の部分から丁寧に
描かれていて、その点ではオリジナルより全体的に納得して
見ることができた感じだ。
物語の舞台は、オレゴン州の小さな港町アントニオ・ベイ。
その町は100年を超える歴史を持っていたが、今年の周年祭
には、100年以上も前に町の基礎を築いた4人の男たちを称
える銅像の除幕式も行うことになっていた。
ところがその数日前から、海岸に難破船からの物と思われる
古い懐中時計やオルゴール、ヘアブラシなどが流れ着き始め
る。そして町では原因不明の火災や事故などが起き始め、さ
らに沖合からは濃密な霧が町を襲おうとしていた。
日本で、このような海岸線の霧がどのくらい発生するものか
知らないが、アメリカの特に西海岸では、サンフランシスコ
の霧に代表されるような濃密な霧の被害はいろいろあるよう
だ。そんな自然現象と、開拓時代のアメリカ人の気風が物語
の基になっている。
しかし物語の発端は1871年ということで、日本で言えば明治
初期の時代、そう考えてみると、これは日本でも起きていて
おかしくない物語だ。普通、洋画のホラー映画はとかく他人
ごとになりやすいものだが、この作品には親近感が湧いた。
過去の怨念が現代に蘇るというのはジャパニーズホラーでは
定番の展開だが、アメリカでも同じような発想の作品が作ら
れていたというのも面白い。しかもオリジナルは、ジャパニ
ーズホラーの始まる前に製作されたものだ。
リメイク版の脚本は『ザ・コア』のクーパー・レイン、監督
は『スティグマータ/聖痕』のルパート・ウェインライト。
また主人公を『ヤング・スーパーマン』のトム・ゥエリング
が演じている。

『鬘』(韓国映画)
末期ガンに冒された妹、姉は最後の時を病院の外で過ごさせ

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07月20日(木)
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