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On the Production
by 井口健二
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■イルマーレ、ディア・ピョンヤン、パイレーツ・オブ・カリビアン2、マスター・オブ・サンダー、天軍、スーパーマン・リターンズ
この作品の狙い目は、これをアトラクションと見る観客だと
言える。そのアトラクションでは観客は傍観者となるものだ
が、それを後押しするかのように、映画の中でも他の俳優の
アクションを傍観しているというシチュエーションが随所に
作られているものだ。
そんなアクションを傍観する2時間30分の超豪華なアトラク
ションと言える作品。従って今回は、人間ドラマは極めて希
薄だが、第3作は逆に人間ドラマが中心に描かれるという噂
もあるようだ。そこまで周到に計画された作品ということな
のだろう。
なお、前作同様、今回もクレジットの後に追加映像があるの
で最後まで見逃せない。

『マスター・オブ・サンダー』
倉田保昭と千葉真一。日本を代表して海外でも活躍してきた
アクション俳優2人が映画では初共演した作品。といっても
実際には、倉田が製作統括を務める作品に千葉が客演した形
のものだ。それに2人は主役ではなく、主人公は7人の若手
が務めている。
ということで、若手俳優によるアクション作品なのだが、そ
の若手というのが、日曜朝の「戦隊」シリーズや「仮面ライ
ダー」などからそれぞれ主役級やヒロインを演じた顔ぶれを
揃えており、その手の番組のファンの観客動員が狙いという
感じの作品だ。
従って、アクションや演技もそのレヴェルだし、物語もその
域を出るものではない。でもまあ、狙っている観客層もそれ
を期待しているのだろうし、これはこれで良いというところ
だろう。僕も別段それが嫌いという訳ではない。
ということで需要と供給のバランスは取れているのだが、で
も折角の千葉、倉田が揃ってこのアクションでは、やはり物
足りなさは否めない。映画には2人の直接対決も用意されて
いて、それはそれで良いのだが、他の連中がそれにほとんど
絡めないのは残念だ。
多分レヴェルが違い過ぎて、編集でもそれがカバーできなか
ったというところかも知れないが、やはりそれなりのもっと
がっちりした絡みのシーンが欲しかった。お陰で2人の対決
シーンは、見事に映画の流れから浮いてしまっている感じも
するものだ。
それに、ワンカットで撮られた巻頭の1:150人の対決シーン
も、よく撮ったとは思えるが、これも物語の中にちゃんと納
まっていないと、唯の自己満足にしか見えない。このシーン
をクライマックスか、その前ぐらいに持ってくる構成が欲し
かった感じだ。
「戦隊」シリーズや「仮面ライダー」などの俳優とそのファ
ン層があって、それを狙って映画を作る需要があるのなら、
もう少しそれなりのアクションを見せる工夫が欲しい。もち
ろん俳優たちのアクションのレヴェルが上がれば問題はない
が、そうでなくてももっとやれることはあるはずだ。
本作でもいろいろ細かい細工はしているようだし、それぞれ
は頑張っているようだが、それが物語の全体に活きてこない
のが残念なところだ。
確かに格闘技系のアクションには演技者の力量は必要だが、
『チャーリーズ・エンジェル』や『バイオハザード』の彼女
達にそんな力量があったとは思えない。それは見せ方の工夫
によるところが大きいはずだ。次にはそんなアクションを期
待したいものだ。

『天軍』(韓国映画)
2000年6月に行われた金大中訪朝の際の秘密協定に基づき、
南北朝鮮が国際社会に隠して行っていた共同研究を背景に、
南北3人ずつの兵士と密かに作られた核弾頭、それに研究員
の女性物理学者が、433年前の李王朝時代にタイムスリップ
してしまう物語。
そこでは、王朝から見放された辺境の村人たちが、略奪と殺
戮を繰り返す蛮族の脅威に晒されていた。そしてタイムスリ
ップした兵士たちが目にしたのは、後に豊臣秀吉の朝鮮侵略
を阻止する朝鮮半島で最も有名な英雄・李舜臣の若き日の姿
だったが…
近代兵器を持った兵士たちが過去の戦乱の時代にタイムスリ
ップすると言えば、日本では半村良原作の『戦国自衛隊』が
昨年公開されたばかりだが、本作は2000年頃から企画が進め
られてきたということだ。

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07月14日(金)
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