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On the Production
by 井口健二
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■第110回
に参加して進められることになっている。なお、製作者たち
の方針では、これから監督を募り、それが決まった上で、配
給映画会社との交渉を始めるとのことだ。
ヴィデオゲームの映画化は次々に製作されているが、人気
ゲームの映画化が必ずしもヒットには繋がっていないのが実
情で、その意味ではあまりヒットしていないゲームの映画化
は、逆に映画そのもので勝負ができることになるから面白い
試みと言えるかも知れない。まずは、優秀な監督を捜し出す
ことがポイントになりそうだ。
* *
新しいアイデアに貪欲なハリウッドは、映画の原作として
いろいろなソースをサーチしているようだが、ゲームの次は
何と、大学院に提出された博士論文を原作にしたコメディの
計画が発表されている。
この作品は、“How to Survive a Robot Uprising”と題
されており、カーネギ・メロン大学ロボット工学部のダニエ
ル・H・ウィルスンという学生が発表した博士論文を原作に
するもの。その内容は、技術管理者である主人公が、ロボッ
トの増加に対する警鐘を鳴らし、また、ロボットによる実効
支配を未然に防ぐ方策を研究するというお話のようだ。
そしてこの論文の映画化権は、昨年パラマウントによって
契約され、すでにトーマス・レノンとベン・グラントによる
脚色の概要も完成。さらに今回はこの概要が、元ニューライ
ンで『オースティン・パワーズ』などを手掛けた製作者マイ
クル・デルッカの手でマイク・マイヤーズに提示され、それ
に反応したマイヤーズがアイデアを足して、彼の主演による
映画化が進められることになったものだ。
技術の進歩に対する警鐘では、チャールズ・チャップリン
が『モダンタイムス』を発表している他、ジェリー・ルイス
にも同趣向の作品があり、ウディ・アレンも初期に『スリー
パー』という作品を発表している。つまり、コメディアンは
必ず一度はやりたい題材のようで、今回のマイヤーズがどの
ような作品を作り出すかにも興味が湧くところだ。
ただしマイヤーズの次回作では、ロックバンドthe Whoの
ドラマー、キース・ムーンの伝記映画に主演する計画が進め
られており、また、大ヒットCGアニメーション“Shrek”
の第3作への声の出演も予定されていて、今回の計画が進む
のは少し先のことのようだ。
* *
ディズニー傘下のミラマックスが、独自にCGアニメーシ
ョンを製作する計画が発表されている。
この計画は、歌手のエルトン・ジョンが主宰するロケット
・ピクチャーズで進められている“Gnomeo and Juliet”と
題された作品で、題名から想像できるようにシェークスピア
の戯曲『ロミオとジュリエット』を基に、怪物ノームの世界
を舞台に描くというお話。当初はディズニーの製作で進めら
れ、一度は2008年の公開という予定も発表されていたが、先
日のディズニーによるピクサー買収によって同社の作品数が
倍増し、製作計画から外されてしまった。
ところが、以前にディズニーの海外配給部門ブエナ・ヴィ
スタで代表を勤めていたダニエル・バセックという人物が、
新たにミラマックスの代表に就任するに当って、この作品を
同社の計画として取り上げることにし、ミラマックス初のア
ニメーションとして進められることになったというものだ。
因にバセックは、ブエナ・ヴィスタにいた当時からロケッ
トとの繋がりがあったということで、この計画も熟知してお
り、さらにイギリス出身の彼には、『モンティ・パイソン』
風味の漂うこの作品には親近感もあったようだ。そしてこの
計画では、新たに主人公の声をケイト・ウィンスレットが担
当することも発表された。
その他のヴォイスキャストは未発表だが、音楽はジョンと
ティム・ライスの『ライオン・キング』のコンビが手掛ける
ことも発表されており、音楽性も豊かな作品になりそうだ。
またジョンは、「ミラマックスと組むことに大変興奮してい
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05月01日(月)
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