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On the Production
by 井口健二
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■第109回
もテレビシリーズからの映画化作品を発表しているスティー
ヴ・ベンデラックが起用されている。製作は前作も手掛けた
ワーキング・タイトル。
因に、前作のアメリカ公開題名は、“Bean: The Ultimate
Disaster Movie”だったようで、あの内容からはちょっと
誇大タイトルのようにも感じるが、アメリカのガイドブック
ではかなり高い評価が付いている。
テレビシリーズの『ビーン』は一発芸のようなところがあ
るが、前作の映画化はそれなりに人間味のある展開で、それ
に一発芸がうまく組み合わされた感じの面白さだった。特に
ドラマ部分は良い味を出していたものだ。前作の舞台はアメ
リカだったが、今度はフランスで、Mr.ビーンは一体どんな
騒ぎを巻き起こすのだろうか。
* *
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの共演で話
題を呼んだ“Mr.and Mrs.Smith”のダグ・リーマン監督の次
回作として、1992年に発表されたスティーヴン・グールド原
作による“Jumper”というSFアドヴェンチャーを3部作で
撮る計画が発表された。
この原作の元々のお話は、17歳の少年が自分にテレポート
の超能力があることを発見し、最初は父親の虐待から逃れた
り、銀行強盗などに使っているが、やがて司法機関とテロリ
ストとの闘いに巻き込まれて行くというもの。ただし映画化
に当っては、最初にデイヴィッド・ゴイヤーが脚色したもの
を、現在は『ファイト・クラブ』などのジム・ユルスがリラ
イトしているが、その内容は厳秘とされているものだ。
まあ、3部作にするというからには、かなりの紆余曲折が
ありそうだが、最終的に司法機関とテロリストとの闘いに巻
き込まれるということは、その時どちらの側に立つかで展開
はずいぶん変わってくることになる。もっともアメリカ映画
でテロリストの側というのは考えにくいが、その前が銀行強
盗というのは引っ掛かるところだ。
主演は、2004年の“Being Julia”に出演していたトーマ
ス・ストーリッジ。それに今秋公開“The Grudge 2”に出演
のテレサ・パルマーと、『リトル・ダンサー』『キング・コ
ング』のジェイミー・ベルが共演する。製作は“Mr.and…”
のニュー・リジェンシー。
魔法使いの延長で、超能力ものもいろいろ出てきそうな感
じだが、ぱっと消えたり現れたりのテレポーテーションは、
映画では比較的早くから登場していたもののように思える。
そんなオーソドックスなものを、現代にどうアレンジするか
が注目だが、特に脚本がゴイヤーとユルスというのは今まで
の作品から考えてもかなり過激になりそうだ。しかもそれを
若手の共演で描くというのは…楽しみな作品だ。
* *
受賞経験もある短篇作家で、“20th Century Ghosts”と
いう短編集も出版されているジョー・ヒルの初めての長編小
説“Heart Shaped Box”の映画化権をワーナーが獲得し、ア
キヴァ・ゴールズマンの製作で進めることが発表された。
物語は、歌手の主人公がeBayで幽霊を購入してしまい、彼
自身の過去にまつわる幽霊と悪魔の攻撃に晒されるというも
の。悪魔にインターネットが関わるなど、現代的なアレンジ
が面白そうな作品だが、実はこのヒルという作家は、あのス
ティーヴン・キングの息子ということで、その点でも注目を
集めそうだ。
ただし、この原作に最初に目を付けたワーナーの製作トッ
プのケヴィン・マコーミックも、製作を担当するゴールズマ
ンも、実は映画化を決めた時点では彼の父親がキングだとい
うことは知らなかったのだそうで、今回の契約は親の七光で
はないとしている。また、ワーナーでは早速脚本家を選考し
て、ただちに製作に掛かるということだ。
* *
ルーシー・リューの製作、主演による“Beautiful Asian
Bride”という計画が、紆余曲折の末ユニヴァーサルで進め
られることになった。
この計画は、レス・ファイアスタインとP・J・ペイセの
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04月15日(土)
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