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On the Production
by 井口健二
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■第107回
スされた題名だが、実は第1作は、後に“Crane Frightenes
Kunlun”(鶴掠昆崙)と改題されて、英語のシリーズ名は
その最初と最後の巻の頭の単語を繋げたものだそうだ。ただ
しこの順番は物語の年代順で、執筆や出版の順ではない。
つまり映画化された“Crouching …”はシリーズの第4話
に当たるもので、その前に3話と後に1話があるということ
だ。しかしシリーズは、一族の3代に渡る物語を描いたもの
で、必ずしも共通の主人公ということではなく、従って映画
の出演者は同じでなくても良いということになる。
そこで今回のシリーズ映画化では、“Crouching …”の再
映画化は考えていないということだ。ただし兄弟としては、
“Crouching …”を手掛けたアン・リー監督と製作のビル・
コングには参加を呼びかけているようだが、今期のオスカー
受賞監督が参加してくれるかどうかは未確定のものだ。
なお、原作者の王度盧は、1909年に満州の貧しい家に生ま
れ、後に北京に出て作家となり1930年代にこれらの作品を発
表している。しかし1949年の人民共和国の成立にともなって
執筆を中止、その後は教鞭を取っていたようだが、文化大革
命の最中の1977年に亡くなったということだ。その一方で、
彼の名声は「十大家(Ten Great Authers)」とか、「北派
四大家」の一人とも呼ばれていたようだが、現在中国本土で
の評価はあまり高くはないようだ。従って、シリーズ以外の
作品の詳細も明らかではないということで、この映画化を切
っ掛けに再評価も期待したいところだ。
* *
この他、TWCからはスリラー作品の計画が3本発表され
ている。まとめて紹介すると、
1本目は“Panic”と題された作品で、ジェフ・アボット
という作家の小説を映画化するもの。ドキュメンタリー作家
の主人公が、自分の両親の失踪を切っ掛けに、実は両親が諜
報機関のスパイで、自分の人生がすべて偽造されたものであ
ったことに気付くというお話。パロディにしても面白そうだ
が、物語は主人公が狙撃されたり、かなり緊迫した展開にな
るようだ。
監督は、先にTWC製作の“Matador”を手掛けたリチャ
ード・シェパード。因に監督は「70年代作品を思わせるスタ
イリッシュなアクション・スリラー。スマートで視覚的にも
斬新な映画にする」と抱負を述べている。ただしシェパード
は、本作の前に“Spring Break in Bosnia”という作品を、
ワーナー傘下で今年の夏に撮影する予定になっている。
2本目はTWC傘下のディメンションレーヴェルで、ステ
ィーヴン・キングの最新作“Cell”の映画化権を獲得し、こ
の監督に2月1日付第104回でも紹介した“Hostel”が好評
のエリー・ロスを起用することを発表している。
この原作は、初期のキング作品を髱髴とさせる内容で、物
語の骨子は、携帯電話が発生する異常パルスによって人々が
発狂し、殺人ゾンビに変身して行くというもの。この手の作
品は日本映画でも作られているようだが、キングがどのよう
に捻っているかも面白そうだ。
ただしロスは、共同でもいいから脚色を自分で手掛けるこ
とを希望しており、このため製作開始はロスが現在プラハで
撮影中の“Hostel 2”の終了後になりそうだ。しかし製作担
当のボブ・ワインスタインは、“Hostel 2”の後ただちに取
り掛かると発表している。
因にロスは、“Hostel”をクェンティン・タランティーノ
の製作で進めると決めたときに、最初にTWCに配給を交渉
したそうだ。しかし、TWCでは内容が暴力的すぎるとして
配給を断られてしまった。ところがその後に兄弟から直々に
「あれは間違いだった」と詫が入れられ、次回作は必ずとい
う約束が交わされたのだそうだ。ということで今回の起用に
なったようだが、ロスは元々のキングの大ファンだそうで、
「読んでいる本を途中で置くことができなかった。ゾンビジ
ャンルの映画に新風を吹き込める」として直ちに引き受ける
ことを決めたそうだ。
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03月15日(水)
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