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On the Production
by 井口健二
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■第106回
戦した俳優ヴィン・ディーゼルが、ゲームメーカーのミッド
ウェイ社で開発中の新世代ゲーム“The Wheelman”の映画版
に、製作、主演の2役で参加することが発表された。
 この計画は、ミッドウェイとパラマウント/MTVが先に
締結したゲームの映画化に関する契約に基づくもので、さら
にディーゼルは、主演作『リディック』のゲーム化をミッド
ウェイで行ったことから3者が顔を揃えた。そしてミッドウ
ェイ側は、ディーゼルのゲームに対する取り組みの姿勢から
彼に新作への協力を求めることで思惑が一致したようだ。
 映画版の物語は、特別な品物の運び屋だった男が稼業から
足を洗ったものの、恋人の女性を過去のしがらみから護らな
ければならなくなる、というアクションアドベンチャー。こ
れに対してゲームでは、主人公の運び屋稼業を描いている。
つまり映画のストーリーはその後日談となるものだが、相互
に関連した出来事も描かれるということだ。
 そして、この映画版の脚本は『XXX』のリッチ・ウィル
クスが担当して、2カ月以内の完成が期待されているという
ことだ。というのも、ゲームは新世代ゲーム機のXbox 360と
PS3用に開発されているものだが、ゲームの発売が2007年
後半に予定されており、できればそれと同時期に映画の公開
も期待されているものだ。ただしゲームの開発は、往々にし
て遅れるもので、その場合は映画単独での公開も行うとして
いる。因にゲームの開発には1500万ドルが費やされ、これは
ゲームの開発費としては最高額に近いものだそうだ。
 なお、ミッドウェイとパラマウント/MTVは、資本系列
が近いということで上記の契約も締結されたようだが、この
他にも、すでに“L.A.Rush”という作品が今年後半にゲーム
と映画の同時公開で予定されている。また、ミッドウェイ社
の“The Suffering”と“Area 51”というゲームの映画版の
計画も進行中で、さらにジョン・シングルトン監督が進めて
いる“Fear and Respect”という作品も映画とゲームの同時
進行が計画されているが、こちらは開発の遅れで公開時期は
未定だということだ。
 前回は、映画スターとコミックスの関係を紹介したが、今
度はゲームということで、業種を超えた協力がいろいろな方
面で現れてきているようだ。
 なお、ディーゼルの映画の新作では、シドニー・ルメット
監督による“Find Me Guilty”の全米公開が3月17日に予定
されている。
        *         *
 2003年に“The Texas Chainsaw Massacre”(悪魔のいけ
にえ)のリメイクを成功させたマイクル・ベイ主宰のプラテ
ィナム・デューンズとニューラインでは、同じくスプラッタ
ーホラーの人気シリーズ“Friday the 13th”(13日の金曜
日)の第11作を製作することを発表した。
 オリジナルのシリーズは1980年にスタートしたものだが、
第1作だけで4000万ドルの興行を記録。しかし以後の作品は
これを超えることはできなかったものだ。ところが2003年に
公開された『フレディvsジェイソン』が、客演作品ではある
が8200万ドルを稼いだとして新作の気運が生まれたもので、
新作のタイトルは未定だが、脚本は、オリヴァー・ストーン
監督の次回作“Son of the Morning Star”などにも参加し
ているマーク・ウィートンが担当し、オリジナルの4作目ま
でのジェイソン・ボアヒーズのキャラクターに基づいて作ら
れるということだ。
 また監督には、リメイク版の前日譚となる“The Texas
Chainsaw Massacre: The Beginning”を担当したジョナサン
・リーブスマンが抜擢されて、公開は今年の10月13日金曜日
が予定されている。この監督には、一時はクェンティン・タ
ランティーノが参加するという誤報も登場して糠喜びもさせ
てくれたものだが、今回は正真正銘本物のようだ。
 因に、オリジナルシリーズは、1984年に公開された第4作
に“The Final Chapter”の副題が付けられて一旦終了とな
ったものだ。ところがその翌年には、“A New Beginning”

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03月01日(水)
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