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On the Production
by 井口健二
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■第103回
子では、その資格も充分にあると思える。
ただし、出版順でも年代記でも“Prince Caspian”に続く
“The Voyage of the Dawn Treader”(朝びらき丸、東の海
へ)と“The Silver Chair”(銀のいす)は同じ時代の物語
ということで、これらが一括して“Prince Caspian”の題名
で映画化される可能性はないわけではない。がしかし、そう
すると、残る“The Last Battle”(さいごの戦い)を含む
3作は、年代記では1、3、7の飛び飛びとなってしまうも
ので、これを1本にまとめることもかなり難しいものだ。
元々今回の計画では、最初に『ライオンと魔女』を映画化
した時点から、年代記にまとめるのは難しいと思われたもの
で、できれば発表順に7本の映画にして、全てが完成した時
に改めて年代記として一挙上映してくれるのが一番と考えて
もいたが、今回の報道を読んでいると、そんな夢も叶いそう
な気もしてきた。そうなることを期待したい。
* *
お次はファンにはビッグニュースで、パラマウントで計画
されているSFシリーズ“Star Trek”の第11作に、トム・
ハンクスの出演が噂されている。
この計画は、現在は“Star Trek 11: The Begining”の原
題で進められているものだが、この脚本を、2001年にハンク
スが製作総指揮したテレビのミニシリーズ『バンド・オブ・
ブラザース』でハンクスと共に製作に関わり、さらにハンク
スが監督を担当した第5話の脚本も手掛けているエリック・
イェンドルセンが担当していることから、この噂が流れ始め
たようだ。
なお2人は古くからの友人ということで、互いに話し合い
ぐらいはしているのだろうが、現時点で出演が確定した訳で
はない。しかし、パラマウントではシリーズの興行がじり貧
になっていることは認めており、その立直しのため前作『ネ
メシスSTX』には外部のジョン・ローガンを脚本に起用す
るなど、テレビシリーズの人気に頼らない新しい血の導入を
試みているもので、その一環として実現の可能性はあるよう
だ。後は出演料の交渉次第ということになるのだろう。
因に報道では、アカデミー賞スターとSFシリーズとの意
外な組み合わせのように報じられていたが、1985年の『カラ
ーパープル』で主演賞候補になり、1990年の『ゴースト』で
助演女優賞を受賞したウーピー・ゴールドバーグは、1987年
に製作開始された『新スタートレック』シリーズでは1988年
から受賞後の1993年まで準レギュラーとして出演しており、
さらに前作『ネメシス』にも顔を出すなど、オスカー受賞者
の出演に前例がないものではない。またこのシリーズは、そ
のくらいの信頼を得ているものなのだ。
もう一つ、『スタ・トレ』関連の補足情報では、昨年末に
発表されたイギリスのテレビ局の行った人気帳票で、ウィリ
アム・シャトナー、レナード・ニモイらの主演によるオリジ
ナルシリーズが、もう一度見たいテレビシリーズの第1位に
輝いたということだ。それでいて、何故にテレビシリーズも
映画シリーズもじり貧状態なのかが判らないところだが、今
年中に製作が予定されている第11作では、ぜひとも状況を打
破するクリーンヒットを期待したいものだ。
* *
“Pirates of the Caribbean”の2本の続編に続いては、
オーストラリア人作家の原作による“Shantaram”への主演
が予定(第101回参照)されているジョニー・デップが、今
度はスコットランド人作家の小説の映画化に乗り出すことが
報じられている。
その作品は、ジェイムズ・ミーク原作の“The People's
Act of Love”と題されたもので、昨年7月に発表されて以
来5ヶ月で20ヶ国語に翻訳され、まさに彗星のごとく現れた
作品と評されている。そしてこの原作の映画化権の獲得に、
デップが自ら気に入った企画を立上げるために設立した製作
プロダクション=インフィニタム・ニヒルが乗り出している
ということだ。
内容は、ロシア革命後の内乱の続く1919年のシベリア奥地
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01月15日(日)
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