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On the Production
by 井口健二
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■第101回
 ところが9月になって、ソマーズは「創造上の相違」を理
由にフォックス作品からの降板を表明、再度リメイク作への
参加が希望されたもので、パラマウント+ドリームワークス
側もそれを受け入れてソマーズの復帰が決まったものだ。た
だし、実は先にリメイク作からの降板を決めたときも、パラ
マウントとの間で「相違」はあったもので、今回はその点を
どのように解消するかなのだが、ソマーズ側は以前の脚本は
破棄し、新たに脚本を作り直すということで、そのための新
たな素案を練るために2、3カ月の時間を要求している。従
って脚本の執筆は2006年早々に開始するとしているものだ。
 因に、ソマーズとドリームワークスの間では、本作の他に
“The Argonauts”という作品も進めており、協力体制は充
分なようだ。また一時噂されたスピルバーグ監督は、パラマ
ウントでは“Indiana Jones 4”の要求が先のようだ。 
 なお、ドリームワークスとパラマウントの間では、全面的
な業務提携の交渉も進められているようだが、このまま行け
ば、本作がその象徴とも言える作品になりそうだ。
        *         *
 以下は少し短いニュースを紹介しよう。
 5月15日付の第87回で紹介した1980年代のテレビシリーズ
“The Equalizer”(ザ・シークレットハンター)の映画化
がザ・ワインスタインCo.(最近はTWCという略称も使わ
れるようになって来たようだ)で行われることになった。
 この計画では、オリジナルのテレビシリーズを製作したマ
イクル・ソローンが映画版の検討を進める内、前回の報告で
は『サハラ』などの製作者のメイス・ニューフェルドが参加
して各社への売り込みが行われるということだった。その売
り込みにTWCが応じたもので、ハーヴェイ・ワインスタイ
ンは、この作品について「常にスマートで予想もできない展
開が描かれたもので、80年代のテレビシリーズで一番好きな
ものの一つだった」と、映画化への期待を語っている。ただ
し、キャスティングや監督もまだ未定のものだ。
        *         *
 3月1日付の第82回で紹介した“Tonight, He Comes”に
ついて、前回紹介した通り、ウィル・スミス主演、ジョナサ
ン・モストウ監督による撮影を、来年の夏にロサンゼルスで
開始することが発表された。
 この作品は、中年になって人々からは期待もされず、賞賛
もされなくなってしまった元スーパーヒーローをスミスが演
じるもので、元々はヴィンセント・ヌゴのオリジナル脚本が
アーチザンで進められていた。しかしそこにオスカー受賞脚
本家のアキヴァ・ゴールズマンが参加したことから事態が一
変、脚本を気に入ったゴールズマンはマイクル・マンを監督
に引き入れて準備を進めたが、アーチザンでは製作規模が大
きくなりすぎて断念となってしまった。ところがゴールズマ
ンとマンは、さらにスミスとモストウを引き入れて各社にオ
ファーを掛け、スミスの『最後の恋のはじめ方』が大ヒット
を記録したばかりのコロムビアがそれに応じたものだ。なお
脚本は『X−ファイル』などのヴィンス・ギリガンがリライ
トしている。
 因に、スミスはコロムビア製作で息子のジェイドと共演し
た“The Pursuit of Happyness”の撮影を完了したところ。
一方、モストウはこの作品に参加を決めたことによって、デ
ィズニーで進めていた“Swiss Family Robinson”のリメイ
クと、“Terminator 4”の計画は先送りになるようだ。
        *         *
 2004年8月15日付第69回で紹介したワーナーが進めている
往年のテレビシリーズの映画化“Get Smart”の計画も実現
の可能性が高まってきた。
 この情報では、前回主演に『ブルース・オールマイティ』
などのスティーヴ・カレルの起用を紹介したものだが、今回
はさらに監督と脚本家の名前が発表されている。それによる
と、まず監督には、『50回目のファーストキス』や『N.Y.
式ハッピーセラピー』などのピーター・シーガルと、脚本家

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12月15日(木)
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