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On the Production
by 井口健二
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■第100回
描いたものになりそうだ。
そしてパラマウントの担当重役からは、「映像的なアクシ
ョン・アドヴェンチャーはジムとティムの両方にピッタリの
企画だ。また、主人公の人物像は、情に脆くて人間性にあふ
れ、コミカルだが繊細で、これもキャリーの希望に合致して
いる」という発言もされている。
なお、本作の製作は『チャーリー…』も手掛けたリチャー
ド・ザナックの許で行われ、また、現在のパラマウント社の
社長は、『チャーリー…』を製作した当時のプランBのブラ
ッド・グレイが務めているもので、これはバートンにとって
も思う存分力を発揮できる体制と言えそうだ。
* *
『チキン・リトル』が好評のディズニーから、続けて3D
−CGIアニメーションの計画が発表された。作品の題名は
“Meet the Robinsons”というもので、内容は不明だが2006
年12月の公開を目指しているというものだ。
一方、今回の3D上映に使用されたReal Dというシステム
は、全米でも100館足らずしか実施されていないもので、本
格的に興行を行うにはもっと館数を増やす必要がある。その
ためには各社の協力が不可欠とされるが、すでにソニーでは
2006年6月21日に予定されている“Monster House”の公開
にこの方式を採用するとしており、さらに、ディズニーとは
『ナルニア国物語』等で協力関係にあるウォルデン・メディ
アからも“Journey 3-D”という計画が発表されている。
因に、ウォルデンの作品は、ジュール・ヴェルヌの『地底
探検』を現代化するもので、『ハイ・フィデリティ』などの
D・V・デヴィンセンティスの脚本から、『トータル・リコ
ール』でオスカー受賞のベテランVFXマン、エリック・ブ
レヴィグが監督。撮影は実写とCGIの合成で行われ、背景
を『ナルニア…』にも採用されている高精度のフォトリアル
CGIで描くもの。また、実写の撮影には、ジェームズ・キ
ャメロンが開発した3Dカメラが使用されるということだ。
* *
2005年5月15日付第87回でも報告したジェフ・ネイザンス
ン脚本、ブレット・ラトナー監督、クリス・ロック、ジャッ
キー・チェン共演によるニューライン作品“Rush Hour 3”
がようやく動き出すことになった。
この計画では、以前の報告では2005年秋に撮影開始となっ
ていたものだが、その後にネイザンスンが“Indiana Jones
4”に駆り出されたり、ラトナーは『Xメン』第3作“X3”
の監督に起用されるなどで頓挫していた。しかしそれらの仕
事も片づいて、いよいよ本格的に準備作業に掛かれることに
なったようだ。撮影は、2006年夏にアメリカ国内とパリで行
われ、公開は2007年夏のテントポール作品となっている。
なお、総製作費には1憶2000万ドルが計上されているが、
その内、タッカーの出演料は最低2000万ドルから配給収入の
20%、チェンは1500万ドル〜15%で他に中国と香港の配給権
も得る。さらにラトナーの監督料は500万ドル〜5%で、ネ
イザンスンの脚本料も7桁($)を得るそうだ。
因に、2001年公開の『ラッシュ・アワー2』は、アメリカ
国内だけで2憶2600万ドルと、海外は3憶2900万ドルの配給
収入を挙げており、これだけ稼ぐことができれば、上記の製
作費も問題ないというところだろう。またタッカーは、その
『2』以来の映画出演となるもので、人気スタンダップ・コ
メディアンの久々の出演にはファンの期待も高そうだ。
一方、チェンの1500万ドルというのは、アジア出身の俳優
での史上最高額は間違いなさそうだ。
* *
続いては、キネマ旬報では遠慮しているアメリカ以外の話
題をいくつか紹介しておこう。と言ってもここで紹介する話
題は、いずれも米誌に報道されたものなのだが…
まずは中韓日3国の合作で、“Battle of Wisdom”という
作品が中国で製作されている。この作品は、香港のアンディ
・ラウ、韓国のアン・ソンギ、大陸のファン・ビンビンらの
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12月01日(木)
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