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On the Production
by 井口健二
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■ピーナッツ、スタンド・アップ、バトル7、Mr.&Mrs.スミス、イヌゴエ、ホテル・ルワンダ
これを見たタイ人のボスは、アメリカ軍がベトナムの財宝を
運び出していると考え、それを奪い取る作戦を立てる。そし
て主人公たちは、いろいろな柵からそれに協力することとな
り、首尾よく作戦は成功するのだが…その後にボスの裏切り
や、秘密の発覚を恐れたアメリカ軍の追求を受けることにな
ってしまう。                     
以前に紹介したタイ映画の『デッド・ライン』もそうだった
が、この作品も何か途中で物語が飛んでいるように思える。
この作品ではボスの裏切りの状況がよく判らないし、アメリ
カ軍の行動も、多分上に書いた通りだとは思うのだが、それ
も映画の中ではあまりちゃんとは説明されていなかったと思
えるものだ。                     
とは言うものの、この作品はタイでは大ヒットしたというの
だから、それでも良いというのがタイの映画ファンの気質な
のだろうか。その辺の事情はよく判らないが、ちょっと不思
議な感じもするところだ。               
アクションの方は、ミニチュアの合成などは今一だったが、
タイ映画特有の爆破シーンなどもしっかり描かれていたし、
ムエタイなどの身体を張ったアクションは面白かった。まあ
それを楽しめばいいという作品なのかも知れない。    
なおプロデューサーのブラッチャヤー・ピンゲーオは、本作
の翌年に日本では先に公開されて話題となった『マッハ!』
の監督を手掛けており、『マッハ!』はそれなりにお話もち
ゃんとしていたから、本作はその礎となった作品というとこ
ろだろう。その辺の位置付けで見るべき作品かもしれない。
因に、今年公開された続編では、大東亜戦争を背景に日本軍
を相手にしているのだそうで、それから考えると、本作はア
メリカ軍との闘いが主眼ということになるようだ。そうして
見ると、それなりに描かれていたようにも思えるところだ。
                           
『Mr.&Mrs.スミス』“Mr.and Mrs.Smith”        
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー共演によるア
クション作品。                    
政府公認なのかどうかは判らないが、それぞれ秘密の暗殺組
織に所属する男女の殺し屋が、お互いの正体を知らないまま
に愛し合って結婚し、お互い秘密を守ったまま生活を続ける
のだが、やがて2人に倦怠期が訪れて…というお話。   
映画は、主人公たちが夫婦でセラピーを受けているところか
ら始まる。2人は、それぞれ自分が秘密を持っていることが
原因だと考えているのだが、それを明かすことはできない。
しかし依頼された事件が交錯し、事態の修復のためには互い
を標的としなければならなくなる。           
物語の中で、2人の出会いの状況などはそれなりに理解でき
るが、その秘密が何年も守られ続けるなんて到底考えられな
いもの。大体、互いに秘密で家の中にあんな仕掛けがあるな
んて…ということで説得力も何もない物語だが、見ている間
は文句なく面白かった。                
基本的に主演の2人は本作をコメディという位置付けで演じ
ているということで、何事も笑って許してという感じの作品
だろう。その意味ではブラックな笑いや、ブラックでない笑
いも随所に盛り込まれている。             
とは言うものの、ハリウッドスターの2人が共演した作品の
割には、実に大勢の人が死ぬ映画だ。物語の展開上で仕方が
ないところはあるが、ある意味その辺を吹っ切った作品とも
言えるかも知れない。まあアクション映画であれば登場人物
の死は付きものだし、本作ではそれをちょっと大げさにやっ
てみたというところなのだろう。            
その一方で、それぞれが演じる殺しの手口やいろいろな仕掛
けなど、描かれるアクションは実に多彩で本当に楽しめる。
特に、ちょっとしたところにいろいろな特殊効果やVFXが

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11月29日(火)
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