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On the Production
by 井口健二
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■第98回
に迎えて、アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの伝記映
画“Poe”の脚本と監督も、同じくミレニアムで予定してい
るが、現状ではこちらも少し遅れることになりそうだ。
        *         *
 続いて、2006年8月11日の全米公開が予定されているティ
ム・アレン主演のスーパーヒーロー・コメディ“The Return
of Zoom”(Zoom's Academy for the Super Gifted 改題)
の原作者ジェイスン・レスコーの未出版の新作“Tales from
the Wishworks Factory”の映画化権が、6桁($)でユニ
ヴァーサルと契約された。
 2003年12月1日付の第52回などで紹介した来年公開の作品
は、以前の紹介から内容がかなり方向転換され、映画化では
引退してスーパーヒーロー養成学校を開校している元ヒーロ
ーが、教え子たちを襲う悪の手に再度立ち上がるが…という
ものになっているようだ。実はこの作品に関しては、フォッ
クスが“X-Men”に似過ぎているとして公開の差し止めを求
める訴訟を起こし、その時は原作の内容では違うだろうと思
ったものだが、こうしてみるとちょっと似ているかも…とい
う感じだ。ただしこの訴訟は却下されたようだが。
 これに対して、今回の新作はさらにファンタスティックな
内容で、その物語は、3歳から10歳までの子供の誕生日の夢
を叶えてくれる組織 Wishworks Factoryと、これに対抗する
悪の組織Curseworksとの因縁の闘いを描いたもの。つまり、
1993年の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』で描かれた
クリスマスとハロウィーンの闘いが、永続的に行われている
という物語のようだ。そしてこの原作の出版社は未定なもの
の、レスコーはシリーズ化も目指しているということで、映
画化もシリーズ化が期待されているものだ。
 また、今回の映画化は、レスコー作品の映画化を仕切って
いるアンダーグラウンド・フィルムスが直接製作を行うもの
で、レスコーも製作総指揮を担当するなど、原作者自身がか
なり深く関わることになりそうだ。因にアンダーグラウンド
は“Zoom”の製作にも参加しているが、その他に“License
to Wed”という作品をワーナーで、また“Black Autumm”を
フォックス2000で映画化を進めているということだ。
        *         *
 前の情報でレスコーの映画化された原作は、元々は若年向
けのファンタシーだったはずだが、続いても若年向けのお話
で、ディズニーと製作者のジェリー・ブラッカイマーから、
アーメット・ザッパという新人作家によるこちらも未出版の
小説“Monstrous Memoirs of a Mighty McFearless”の映画
化権を150万ドルで獲得したことが発表された。
 この小説は、口喧嘩の絶えない幼い兄妹が、自分たちの家
系が代々凶悪なモンスターとの闘いを続けてきた血筋である
ことを知り、やがて2人は、協力して史上最悪の悪の帝王と
の闘いに挑むことになるというもの。原作本は来年8月ラン
ダムハウス社から、ザッパ自身の描いた300枚のフルカラー
イラストを添えてハードカバーで出版されるということだ。
 そしてこの映画化権は、ザッパが原稿を書き上げた当日の
10月11日の月曜日に最初にワーナーに情報が流され、同社は
直ちに獲得に乗り出したのだが、作家の女性エージェントは
他社へのオファーも希望、元フォックスの最高責任者だった
夫に相談して、彼からパラマウント傘下のプランBやディズ
ニーに情報が流された。
 これに対してディズニーの担当者は、原稿を手に入れるや
その晩の内に読み終えて、翌朝にはブエナヴィスタのトップ
に獲得を勧めたということだ。一方その頃には、ニューヨー
クの出版エージェントからも情報が流され始め、それをキャ
ッチしたブラッカイマーが獲得を指示。これによる3社の争
奪戦の末、同週金曜日の10月14日に、ディズニー+ブラッカ
イマーとの契約が行われたものだ。
 なおザッパは、“200 Motels”などの映画も監督したこと
のある伝説のロックミュージシャン、故フランク・ザッパの

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11月01日(火)
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