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On the Production
by 井口健二
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■博士の愛した数式、ソウ2、TAKESHIS’、ハリー・ポッターと炎のゴブレット
主人公は、人気タレントのビートたけしと、売れない役者の
北野武。この2人がそれぞれの夢を語りつつ、相互にその夢
が物語として描かれて行く。ある意味、願望充足型の作品で
あり、その意味では実に無邪気な作品である。      
ここで普通なら、夢の世界と現実の世界をパラレルワールド
で描くような設定だが、北野監督はいずれも現実(夢)とし
て描いて行く。従って相互に行き交う部分もあるし、しかも
それぞれを各俳優の1人多役で描くから、これは実に楽しい
作品に仕上がっているものだ。                
因に、プレス資料によると、監督自身、編集が一番楽しいと
語っているようだが、確かにこの作品を、きっちりと判りや
すく編集するのはかなり頭の要る仕事だろう。その意味では
本当に楽しいことのように思えるものだ。        
また、今回はその中で刻まれるリズムが映像としてもちゃん
と整えられているのは、それなりに認められるところだ。ま
あ多少ぎこちなくはないが、こんなところだろう。それと、
巻頭で倒れる兵士のたてる音の感じが、何かが始まるぞとい
う雰囲気が出ていて良かった。             
なお、物語に関しては、何を書いてもspoilerになりそうな
ので紹介しないが、一つ言えることは、本作はタケシチルド
レンへの豪華のプレゼントだということだ。       
今までの作品でも、ファン以外の観客は無視している傾向は
あったが、特に本作はそれが前面に押し出されている感じの
ものだ。この作品を存分に楽しめるのは、ファンの特権と言
えるかも知れない。                  
最後に一ついちゃもんを付けておくと、プレスに大きく書か
れた「ファンタジック」というのは、いい加減やめにして欲
しい。これは昔、無知な出版社が誤って使ったことに端を発
したもので、正しくは「ファンタスティック」。世界の北野
ならこの辺りは気をつけてもらいたいものだ。      
                           
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』         
        “Harry Potter and the Goblet of Fire”
全7巻シリーズのちょうど折り返し点となる第4作。ハリー
が「選ばし者」であることが明確になり、宿敵ヴォルデモー
ト卿も真の姿を現す。                 
シリーズも4作目ともなると、それなりにルーティン化とい
うか、お決まりのものが登場するようになってくるが、本シ
リーズでのお決まりと言えば空飛ぶサッカーとも呼べるクデ
ィッチの試合。しかし今回は、ワールドカップの決勝戦が巻
頭を飾るものの、本篇中でのハリーたちの試合は無し。  
替って本作では、ホグワーツ校主催による伝説の3魔法学校
対抗戦が開催されることになり、ハリーは学校の代表として
これを闘うことになるというものだ。そしてこの闘いの様子
は、ハリーの活躍を中心に、3つのステージに渡ってかなり
丁寧に描かれている。                    
また、それに併せて開催される3校交流のダンスパーティで
のエスコート相手探しや初恋など、ハリーたちの青春真っ只
中の物語が展開する。              
映画化の監督は、1994年公開『フォー・ウェディング』など
のマイク・ニューウェル。第1作、第2作のクリス・コロン
バスはアメリカ人、第3作のアルフォンソ・キュアロンはメ
キシコ人だったが、今回はシリーズ初のイギリス人監督とい
うことになる。                    
そこで、ハリーたちが送るイギリス的学園生活の描写には、
男女共学の公立校出身という監督の実体験が反映されている
ということだ。またダンスパーティの雰囲気なども、監督の
実体験に基づくそうで、成程こうなんだろうなという感じの
ものに描かれている。                 
ただし物語は、原作に沿ってはいるが、原書で734ページの

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10月31日(月)
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