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On the Production
by 井口健二
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■第96回
ロードウェイ・ミュージカル化も手掛けることになり、会社
としてはかなり繁忙な状態になるということだ。
* *
日本では来年3月公開が予定されている“The Chronicles
of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe”(ナ
ルニア国物語)を共同製作しているディズニーとウォルデン
・メディアからもう1本、児童文学の映画化の計画が発表さ
れた。
この計画は、キャサリン・ピータースンが1977年度のニュ
ーべリー賞を受賞した“Bridge to Terabithia”を映画化す
るもので、物語は、11歳の少年と、ちょっと悪餓鬼のその友
達を中心に、彼らが見つけた異世界を巡るもの。そこには巨
人やトロルなどの不思議な住人たちが暮らしていた…という
ことで、『ナルニア』にもつながる異世界ファンタジーとな
りそうだ。
そして映画化では、ジェフ・ストックウェルが脚色を担当
し、人気テレビシリーズの劇場版第3作で2003年に製作され
た“Rugrats Go Wild!”などのアニメーション監督ガボール
・クスポが実写作品を初監督することになっている…と紹介
記事にはあったが、手持ちのガイドブックでは、“Rugrats
Go Wild!”は別の監督名になっていたようだ。
撮影は来年2月にニュージーランドで開始の予定で、公開
は2007年春と発表されている。なお配給は、アメリカ国内を
ディズニー、海外はウォルデンが担当するということだ。
因にディズニーとウォルデンでは、2003年にアンドリュー
・デイヴィス監督のドラマ“Holes”と、ジェームズ・キャ
メロン監督によるIMAX-3Dドキュメンタリー『タイタニック
の秘密』を共同で手掛けており、今年公開のジャッキー・チ
ェン主演『80デイズ』でも協力しているが、包括契約を結
んでいる訳ではなく、1作品ごとの契約をしているものだ。
* *
続けてウォルデン・メディアの話題で、ハリスン・フォー
ドを主演に迎えて、1865年のリンカーン大統領暗殺事件にま
つわる謎を追求した作品の映画化が発表されている。
この作品は、ワシントン在住の作家で弁護士のジェームズ
・L・スワンスンが執筆した“Manhunt: The 12-Day Chase
for Lincoln's Killer”に基づくもので、暗殺から12日後に
ヴァージニア州の農家の納屋で犯人ジョン・ウィルクス・ブ
ースが逮捕されるまでの経過を、その追跡捜査を指揮したエ
ヴァートン・コンガー陸軍大佐の目を通して描くもの。その
描写は、時間を追った極めて克明なものだということだ。そ
して、この歴戦の勇者でもある大佐の役をフォードが演じる
ことになっている。
なお、スワンスンの原作は来年2月に発行予定だが、彼は
2001年にも同様の“Lincoln's Assassins: Their Trial and
Execution”という著作も発表しているということで、この
問題ではかなりの権威のようだ。監督は未定だが、脚色には
2000年の『小説家を見つけたら』などのマイク・リッチの担
当が発表されている。
結局、この暗殺事件では、歴史的にはブースの単独犯行と
いうことになっているようだが、直後にアメリカは南北戦争
に雪崩れ込むなど、その影響の大きさには何らかの政治的な
関与も疑われているようだ。また、12日後に突然ブースが発
見される経緯にもいろいろ謎が多いということで、映画化さ
れたらかなり面白いものになりそうだ。
* *
もう1本ウォルデン・メディアの計画で、『シュレック』
の共同脚本家の1人ロジャー・S・H・シュルマンの脚本に
よる“Tortoise and Hippo”という計画が発表されている。
この計画は、昨年12月に発生したインド洋地震津波からヒ
ントを得たというもので、その際に被害を受けたインドの野
生動物保護区で撮影された1枚の写真に基づいている。その
写真には、高齢と思えるカメに寄り添うカバの赤ん坊の姿が
写されており、その写真を娘から見せられた映画製作者のマ
イク・メンケルが物語を思いついたということだ。
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10月01日(土)
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