ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459903hit]
■ミート・ザ・ペアレンツ2、欲望、もっこす元気な愛、ダウン・イン・ザ・バレー、ベルベット・レイン、シルバーホーク、デッドライン
密な関係となる。そして男もそんな彼女の想いに応えようと
する。
しかし彼女には、刑務官を務める厳格な父親がいて、彼女が
そのような男とつきあうことには大反対だ。これに対して男
は、父親にも誠意を持って接しようとするのだが…いろいろ
な行き違いが起こり、大きな事件へと発展して行く。
この謎の男をエドワード・ノートンが演じ、脚本に惚れ込ん
で製作も買って出たという彼は、時代に取り残されたように
カウボーイとして生きる男性を、見事な手綱捌きや拳銃の早
打ちなど織り込みながら丁寧に描き上げている。
映画の中ではジョン・フォード監督へのオマージュ的なシー
ンも見られ、現代の西部劇という意味合いの強い作品に見え
る。しかし西部劇が現代に通用し辛くなったのと同様に、こ
の映画の主人公のカウボーイも現代からは疎外されている。
ただしそこには、そんなカウボーイにも憧れを持ってくれる
子供たちがいて、そこに活路を見いだしたいのだが、結局は
それも現実という壁に阻まれてしまう。
見事に現代の西部劇の立場に準えることのできる作品とも言
えそうだが、実はそれは西部劇(カウボーイ)だけの問題で
はなく、現代人の、現代社会のあらゆるところに存在する問
題でもあるようにも感じられる。
確かに12車線のフリーウェイは立派だが、それはただ人や物
資が通り過ぎて行くだけのもので、地元には大した恩恵もも
たらしてはいない。多分そんなところからも人々の疎外感は
生まれるのだろう。血の通わない現代文明を見事に描いた作
品とも言えそうだ。
『ベルベット・レイン』“紅湖”
原題は、香港の裏社会を指す言葉だそうだ。その原題の指す
通り、香港の裏社会にうごめく男たちの生き様を、ベテラン
のアンディ・ラウ、ジャッキー・チュンと、若手のショーン
・ユー、エディソン・チャンの共演で描いた作品。
香港の裏社会に君臨するラウ扮するホンと、その用心棒のチ
ュン扮するレフティ。2人はチンピラ時代から一緒で、以来
レフティはホンに陰のように付き添い、邪魔になる奴らを始
末してきた。そしてそのレフティの耳に、ホンへの刺客が放
たれたとの情報が入る。
一方、ユー扮するイックと、チャン扮するターボは裏社会の
底辺で暮らすチンピラ。一発大きな仕事で名を上げようとす
るイックは、ターボの手引きで鉄砲玉を選ぶ抽選で当りを引
き、その副賞の娼婦ヨーヨーと一夜を過ごしながら殺しの秘
策を練る。
そんな時に、ホンの妻に赤ん坊が生まれ、病院を見舞ったレ
フティはホンに海外へ身を隠すことを進言する。しかしそれ
を聞き入れないホンに代って、レフティは配下の中で怪しい
と睨んだ3人のボスの一家皆殺しを命令し、ホンの身の安全
を図ろうとする。
こうして血で血を洗う抗争が勃発するが…
チンピラものは基本的に好きではないが、この映画ではさす
がに四天王と呼ばれたラウ、チュンと、新四天王と呼ばれる
ユー、チャンの演技でぐいぐいと引っ張られて、最後まで見
せられてしまった感じだ。
特にラウは、自ら製作総指揮も手掛ける力の入れようで、こ
の映画の完成に大いに貢献している。因にタイトル及びポス
ターに書かれた「紅湖」の毛筆の題字や、エンディングの歌
曲の作詞作曲も、ラウが手掛けたものだそうだ。
監督のウォン・ジンホーは、ヴィデオ監督の出身でこれが初
映画作品ということだが、映像的には、ちょっと凝り過ぎと
いう感じの部分もないではないが、いろいろなテクニックを
使って面白く見せてくれた。
以下ネタばれがあります。
なお、物語は最後にちょっと仕掛けがあって、途中で何とな
く変だなと感じていた部分が最後にどんぴしゃと納まる辺り
は、僕には結構好ましい感じがしたものだ。かなりトリッキ
ーで、多分先例のある手法だとは思うが、うまく自分のもの
にしている感じがした。
『シルバーホーク』“飛鷹”
『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』『グリーン・デステ
ィニー』でお馴染みのアジアのアクション女王ミッシェル・
[5]続きを読む
09月29日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る