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On the Production
by 井口健二
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■第93回
物語の全てを尊重してくれているし、何より映画製作の手順
に精通している」とのコメントが寄せられていた。
これに対して、約10年前にこの原作に触れて以来、ずっと
この映画化の監督を夢見てきたというタッカー監督からは、
「巨大な映画になるだろうし、多分、そのスケールには誰も
が簡単に圧倒されてしまうような作品になるに違いない。し
かしその中心に描かれるのは、自ら望んでなった訳ではない
英雄が、その責任を果たして行くという物語。この素晴らし
い物語を実現するために、全てのものが導かれている」と、
映画化への意欲が表明されている。
因にタッカー監督は、1998年に発表された音楽家伝記映画
“Hilary and Jackie”(本当のジャクリーヌ・デュプレ)
の監督でも知られるが、最近スティーヴ・マーティン原作主
演による“Shopgirl”というコメディ作品を撮り終えたとこ
ろだそうだ。またその一方で、スカーレット・ヨハンソン主
演の“Girl with a Pearl Earring”(真珠の耳飾りの少女)
の製作も手掛けており、今回“The Lord of the Rings”の
後を継ぐ超大作の映画化には、その両面からの手腕が期待さ
れているものだ。
また今回の計画では、まず“The Golden Compass”を単独
の作品として製作し、その成功を見て第2作の“The Subtle
Knife”と第3作の“The Amber Spyglass”を同時に製作す
る方針ということで、3部作の全てが製作されるか否かは、
第1作の出来に掛かるようだ。
出演者などは未定で、撮影開始の時期も発表されてはいな
いが、第1作の映画化にはウェイツが書き上げた脚本が使用
されるということで、脚本が出来ているということは比較的
早く動くかも知れない。なお、日本配給に関してはギャガが
すでに権利を獲得しているようだ。
* *
ニコール・キッドマンが、ワーナーでジョール・シルヴァ
が製作するSFスリラー“Invasion”に、1600万ドルの出演
料で主演することが発表された。
この作品については、2003年9月1日付第46回などで紹介
したように、元々は1956年製作のジャック・フィニー原作、
ドン・シーゲル監督の“Invasion of the Body Snatchers”
をリメイクする計画とされていた。ところが2004年4月15日
付第61回で報告したデイヴィッド・カジャニッチ執筆の脚本
が、原作とは違うコンセプトを持つものになったということ
で、現在は独立の作品として進められているものだ。
因に、カジャニッチの執筆した物語は、人類を絶滅に導く
ような人々の異常な行動が伝染病のように広がり始め、主人
公の精神医学者はその陰に異星人の存在を見い出す。そして
彼女は、その事態を止める鍵を握る息子を守るため、異星人
との闘いを開始するというもの。確かに、オリジナルの物語
の中心にあった人々が徐々にすり替わって行くという設定は
消えているようで、人間そっくりの異星人を生み出す莢も出
てこない、となれば別の物語ということも納得できそうだ。
そしてこの映画化では、今年のアカデミー賞で外国語映画
部門の候補に挙げられた“Der Untergang”(ヒトラー〜最
後の12日間〜)のオリヴァ・ハーシュビーゲル監督が、ハリ
ウッドデビューを飾ることも発表されている。
なお、監督はこの作品について、「この物語の言わんとす
るところは、歴史的な出来事の暗喩であり、今この国が直面
していることの暗喩でもある。私は人間を描くスペシャリス
トで、常に薄っぺらでない立体的な人間の姿を描いてきた。
VFXやCGIに負けない人間ドラマを描いてみせる」と抱
負を語っている。
一方、製作者のシルヴァは、監督について、「彼の作品は
ダークで、無気味で、それでいてスマートで、ちょっと密室
恐怖症に似た感じもある。これらの特徴は、自分がこの映画
に求めている全てのものだ」と期待を述べていた。
それにしても、子供を守るために異星人の侵略と闘うとい
うのは、最近何処かで聞いたようなお話で、もちろん、侵略
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08月15日(月)
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