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On the Production
by 井口健二
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■さよならCOLOR、青空のゆくえ、空中庭園、チャッキーの種、銀河ヒッチハイク・ガイド、アイランド、奥様は魔女
も主演している自分にこんな役しか回ってこないことに苛立
っている。
そして、その映画に登場するチャッキーとティファニーの人
形は、ワイアーに繋がれて人形師の意のままに操作されてい
るのだが、そこにイギリスから密航してきた子供が現れたこ
とから、意識を目覚めさせる。そして再び惨劇が始まる。
実はこのシリーズも以前の作品は見ていなくて、今回チャッ
キーとは初遭遇だった。しかし基本的な設定は、チャッキー
がヴードゥーの秘術により殺人鬼の魂の憑依した人形という
くらいで、それさえ判っていれば別段問題はなかった。
そして本作では、ティリーが本人役で主演するなどパロディ
感覚一杯に物語が展開し、そのパロディも、『サイコ』から
『シャイニング』までの正に王道を行くものばかりで実に判
りやすい。また、人形一家の親子関係などもうまく描かれて
いて、かなり面白かった。
他にもラッパーのレッドマンが本人役で登場したり、映画監
督でもあるジョン・ウォーターズがパパラッチに扮して重要
な役を演じるなど、一部にはハリウッドの裏側も見えたりし
て、映画ファンには興味のつきない作品と言えそうだ。
なお監督は、第1作から全作の脚本を手掛けているドン・マ
ンシーニが満を持して担当。製作は、こちらも全作を手掛け
るデイヴィッド・カーシュナーで、正に大事に育て上げてき
たシリーズの最新作という感じだ。
因に、製作会社のローグは、ユニヴァーサルの傘下でアート
系作品を専門に扱うフォーカスが新たに立上げたホラーブラ
ンドで、同ブランドからはすでに多数の企画が発表されてい
て、これからが楽しみと言えそうだ。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
“The Hitchhiker's Guide to the Galaxy”
銀河バイパス建設のために突如破壊された地球の唯一人の生
き残りとなった主人公が、ガイドブックの執筆者や、逃亡中
の銀河大統領、地球生まれのヒロイン、それに欝病のロボッ
トらと共に、銀河を旅して回る物語。
1978−1980年に放送されてカルト的な人気を誇ったBBCの
SFラジオドラマの映画化。
因に、今回の映画化では、原作者のダグラス・アダムスが自
ら脚色を手掛けたものだが、その完成直後にアダムスが他界
したために、仕上げだけ『ジャイアント・ピーチ』などのケ
アリー・カークパトリックが担当している。
そして完成された映画は、英米では5月末の週に公開され、
いずれも公開第1週に興行成績第1位を記録したものだ。
とは言うものの、日本では大元のラジオドラマは放送されて
いないし、アダムスが自ら執筆したノヴェライズの翻訳はあ
るものの、さして評判になった訳ではない。従って、日本で
は原作のファンで見に来る観客はほとんど望めない状況と言
えそうだ。
しかし作品は、確かに原作からの引用部分もあるが、ほとん
どのシーンは本作だけでも理解できるようになっており、特
に、ロボット・マーヴィンのキャラクターなどは、アラン・
リックマンの声のお陰で『ギャラクシー・クエスト』のトカ
ゲ頭を思い出したりして、これだけで充分に楽しめた。
他にも、最初と最後に流れるイルカの歌の歌詞も笑えるし、
また映画の全体を通じてはいろいろなギミックのオンパレー
ドで、特に後半の惑星創造のシーンの映像はVFXも決まっ
て見事なものだ。
出演は、主人公に『アリG』のマーティン・フリーマン、銀
河大統領に『コンフェッション』のサム・ロックウェル、ガ
イドの執筆者役に『ミニミニ大作戦』のモス・デフ、ヒロイ
ン役に『あの頃ぺにー・レインと』などのズーイー・デシャ
ネル。
他にも、ジョン・マルコヴィッチが怪しげな伝導師役で登場
したり、また、名演技を見せるマーヴィンの着ぐるみには、
『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』にも出演して
いる侏儒役者のウォーウィック・デイヴィスが入っているそ
うだ。
英米では『エピソード3』『宇宙戦争』の2大作の前に公開
されたが、日本では後の公開になる。同じSFジャンルの作
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07月14日(木)
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