ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459620hit]
■スカーレット・レター、ライフ・アクアティック、サハラ、魁!!クロマティ高校、やさしくキスをして、ピンクリボン
よりも目立ってしまう感じだが、それもダイジェスト版では
良くあることとして、了承してもらうことにしよう。
それらは別として、ここだけで映画1本分ぐらいの製作費が
掛かっていそうなプロローグの南北戦争のシーンもちゃんと
描かれていたし、そのシーンが結末にも活かされてくる構成
は、さすが脚本家が4人も着いただけのことはあるという感
じもした。
アメリカでは公開1週目に第1位を記録したし、すでに17巻
が発表されているシリーズの映画化は可能性も高そうだ。た
だし映画の中では、船室の壁に「タイタニック号引き揚げ」
と書かれた新聞の切り抜きが貼られていたようで、というこ
とは…
ピット役はマシュー・マコノヒー、その相棒アルにスティー
ヴ・ザーン、NUMAの提督をウィリアム・H・メイシー、
そして今回のピットガール=エヴァ・ロハスはペネロペ・ク
ルスが演じている。
『魁!!クロマティ高校』
少年マガジン連載中の野中英次原作のマンガを、『地獄甲子
園』の山口雄大監督で映画化した作品。
原作のマンガは読んだことが無く、山口監督の作品は、実は
昨年1本見たが、あまり気に入った作品ではなかった。とい
うことで、僕自身は部外者的な感覚で見に行った試写だった
が、想いの他というか、予想以上に面白い作品だった。
映画は、ナレーションと写真構成によるクロ高の歴史の解説
をプロローグとして、この高校には場違いな主人公の学園生
活と、後半は校舎の屋上に宇宙猿人ゴリの空飛ぶ円盤が着陸
して戦闘が起きるなどのエピソードが描かれる。
原作は多分ギャグマンガだと想像するが、映画は、テレビの
ヴァラエティ番組のショートコントの連続のような感じで、
そのギャグの手法はいろいろだが、全体としては緩急の流れ
の変化もあるし、統一感は計算されていたように感じた。
正直に言って、ギャグは泥臭いし、合成の空飛ぶ円盤なども
安っぽいものだが、その泥臭さ、チープさが妙に作品にはま
っている。それに、主演の須賀貴匡以下、渡辺裕之や金子昇
といった面々が妙な衒いもなく、真面目に演技しているのも
好感が持てた。
昨年見た作品は、何と言うか出演者の演技もなってなかった
し、監督の演出にもそれをカヴァーするだけの力量が不足し
ている感じがした。しかし本作で、俳優たちがちゃんと演技
してくれれば、それなりの作品をものにできる監督であるこ
とは認識できた感じだ。
なお、登場する宇宙猿人ゴリの着ぐるみは、実際に1971〜72
年に放送された『宇宙猿人ゴリ〜スペクトルマン』のテレビ
シリーズで使用されたものだそうで、これは当時のシリーズ
製作会社ピープロの製作協力によるということだ。
ということで、怪獣ファンにもちょっと気にしてもらいたい
1作とも言える。なお、ゴリの声は小林清(志)が当ててい
る。他にも、ロボット=メカ沢の声を武田真治が担当してい
たり、多彩な特別出演が登場している。
非常にマニアックな作品だとは思うが、出演俳優もそこそこ
人気のある連中が揃っているし、それなりの期待は持てそう
な感じだ。それに、この調子でやってくれるなら、監督の次
回作にも期待したくなった。
『やさしくキスをして』“Ae Fond Kiss...”
2002年に『SWEET SIXTEEN』を紹介して以来の
ケン・ローチ監督の最新作。
監督は、この間に各国の監督が協力した『セプテンバー11』
に参加しているが、本格的な作品は上記以来となる。そして
[5]続きを読む
04月29日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る