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On the Production
by 井口健二
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■第85回
なおコン・リーは、先日の『SAYURI』の記者会見で
も、英語で応対するミシェル・ヨーとは別に、リーだけのた
めに中国語の通訳が用意されていたもので、英語が堪能とい
う訳ではないようだ。しかし、すでにハリウッドで“Eros”
というオムニバス作品の撮影も終えているということで、こ
れからますます海外での出演作が増えそうだ。
* *
『アルマゲドン』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』な
ど、ディズニー映画の中で大型作品を主に手掛けるジェリー
・ブラッカイマー・フィルムスから、トニー・スコット監督
によるロマンティック・スリラーの計画が発表された。
この作品は“Deja Vu”と題されているもので、『シュレ
ック』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの脚本を手
掛けたテリー・ロッジオが、ビル・マーシリという脚本家と
共同で執筆したオリジナル脚本を映画化するもの。内容は、
FBIの捜査官がタイムトラヴェルで時間を遡り、難事件を
解決しようとするが、そこで殺人事件の被害者になるはずの
女性に恋をしてしまうというお話。この後がどんな展開にな
るかは判らないが、ディズニーでは、昨年7月に契約された
この脚本に、数100万ドルの契約金を支払っている。
その脚本の映画化が、トニー・スコットの監督で行われる
ことになったものだ。なおスコットは、兄のリドリーと共に
スコットフリーと呼ばれるプロダクションを経営し、そこで
の作品は基本的にフォックスが優先契約を結んでいるはずだ
が、今回の計画に関しては、長年の付き合いのブラッカイマ
ーからの依頼が優先してディズニー製作で進められることに
なったようだ。
因に、トニー・スコットとブラッカイマーの関係では、ト
ム・クルーズが主演した『トップ・ガン』『デイズ・オブ・
サンダー』を始め、『クリムゾン・タイド』『エネミー・オ
ブ・アメリカ』など錚々たるヒット作が並ぶが、今回の作品
もそれに続くものとなりそうだ。キャスティングなどは未発
表だが、今年の夏か秋の撮影開始が期待されている。
* *
『スパイダーマン』に続くソニーとマーヴェルコミックス
のコラボレーションで、1970年代に刊行されたあまり有名で
はないコミックスを、一気に夏休み向けの中心作品として映
画化する計画が発表された。
計画されているのは“Killraven”という題名で、オリジ
ナルは1973年に発刊されたAmazing Adventuresの中の1篇と
してスタートした作品。元々のアイデアは、H・G・ウェル
ズ原作の“The War of the Worlds”の続編を描くというも
のだったそうで、1901年に地球を侵略しようとして失敗した
火星人が、2001年に再び地球侵略を開始して今度は征服して
しまうのが発端。そして火星人に征服された未来の地球で、
主人公は、最初は征服者である火星人の手で戦士として育て
られるが、やがて脱走してフリーマンと名告る抵抗組織のリ
ーダーとなって行くというもので、かなりスケールの大きな
物語となるようだ。
そしてソニーからは、この映画化の脚本を“The Kentucky
Cycle”という作品でピュリツァー賞受賞の劇作家ロバート
・シェンカンに依頼したことも発表されている。因にソニー
では、『スパイダーマン2』のときも、同賞小説部門受賞者
のマイクル・シェイボンに脚本を依頼しているが、それに続
く大物作家への依頼ということになるようだ。
ところでウェルズ原作の“The War of the Worlds”は、
今年映画版のリメイクが公開される予定だが、この再映画化
は、1953年の映画化と同じく舞台を現代にしているというこ
とで、ファンが期待したヴィクトリア朝のロンドン・テムズ
河口を火星人のウォーマシンが上陸してくるシーンは描かれ
ないようだ。しかし今回の“Killraven”の映画化が実現す
れば、もしかするとプロローグでそのシーンが映像化される
可能性もある訳で、ここは是非ともソニー・イメージワーク
スの技術で、その映像化にも挑戦してもらいたいものだ。
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04月15日(金)
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