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On the Production
by 井口健二
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■迷宮の女、バタフライ・エフェクト、英語完全征服、ダニー・ザ・ドッグ、ラヴェンダーの咲く庭で、コックリさん
のだろう。
しかし本作では、少年の心のまま大人になってしまった主人
公など、今までのリーには見られない役柄で、役作りが必要
とされた。そしてその孤独感を体感するために、撮影後もホ
テルに戻らず、ただ一人でスタジオで一夜を過ごしてみたり
もしたそうだ。
そんなリーの意気込みが伝わってくる作品とも言える。
なお、記者会見では、映画のキーとなるモーツアルトのピア
ノソナタが、フジ子・ヘミングの生演奏で紹介された。それ
は素晴らしい演奏だったが、演奏後のコメントで、彼女は、
「リー本人は素敵だけど、この映画は嫌いです。」と言って
しまった。
確かに、高齢のご婦人には刺激の強すぎるアクション映画だ
ったかも知れない。しかし、リー自身も「この作品はハリウ
ッドでは作れない」と言っているように、ただの見た目が派
手なアクションだけではない、見事な人間ドラマが描かれた
作品だ。
『ラヴェンダーの咲く庭で』“Ladies in Lavender”
『ジェームズ・ボンド』シリーズでMを演じるジュディ・デ
ィンチと、『ハリー・ポッター』でマクゴナガル先生を演じ
るマギー・スミス。このイギリスを代表するデームの称号を
持つ2人の女優が共演した人間ドラマ。
第2次大戦前夜のイギリスの寒村での物語。ディンチとスミ
スが演じるのは、海辺の館に住む仲の良い姉妹。遺産によっ
て慎ましいが安定した生活を送っていた2人は、ある日、海
岸に漂着した1人の若者を救助する。
その若者は、最初は英語が通じなかったが、やがて片言のド
イツ語でポーランド人であることが判る。そして若者の看病
を続けるうち、姉妹の妹に微妙な感情が生まれ始める。
しかしその内に、彼にはヴァイオリニストの才能があること
が判明する。そしてその音色に誘われるように、ドイツ語を
話す若い美貌の女性が現れる。
スミスが姉を演じ、ディンチが妹を演じる。特にこの妹が、
恥じらうように若者を見つめる姿は、当時の時代背景なども
表わしながら、実に素晴らしく演じられている。映画は間違
いなくこのディンチが主演の作品だ。
一方の若者役は、『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブ
リュールによって、初々しく演じられている。
また『スター・トレック』のデイヴィッド・ウォーナーや、
『トゥルーマン・ショー』のナターシャ・マイクルホーン、
『ハリー・ポッター』でスプラウト先生役のミリアム・マー
ゴリーズらが脇を固めている。
そしてもう一点、この映画の陰の主役とも言えるのが、ジョ
シュア・ベルによるヴァイオリンの演奏だ。ベルは、1998年
の『レッド・バイオリン』でも演奏を担当していたが、特に
本作では、若者が村人との交流を深めるシーンなどが見事な
演奏で描かれていた。
因に、本作では姉をスミス、妹をディンチが演じていたが、
実際の年齢は同い年で、ディンチの方が19日ほどお姉さんの
ようだ。
『コックリさん』(韓国映画)
2000年『友引忌』、2002年『ボイス』に続くアン・ヒョンギ
監督の韓国ホラー第3作。
山間の寒村の女子高で、いじめにあっていた都会からの転校
生が、いじめグループへの復讐のためにコックリさんを使っ
て忌まわしい霊を呼び出す。そして復讐が始まるが…
僕は、『友引忌』は見ていないが、『ボイス』は最後でいろ
いろな駒がピタッと揃うパズルのような面白さが気に入った
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03月14日(月)
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