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On the Production
by 井口健二
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■第82回
に第6巻が出版される予定の“Magic Kingdom”シリーズの
第1巻“Magic Kingdom for Sale”を、『ヴァン・ヘルシン
グ』のスティーヴン・ソマーズ監督で映画化する計画がユニ
ヴァーサルから発表された。
 物語は、最愛の妻を亡くした弁護士が、過去の生活を断切
ろうとした矢先に不思議な広告を目にし、全財産を注ぎ込ん
でそれに応募してしまう。それは魔法王国の支配者になると
いうものだったが、応募が叶っていざその王国を2人の子供
と共に訪れてみると、そこは悪魔や怪物たちが入り乱れての
大混乱の真っ最中だった…
 これが発端の物語ということだが、ここから少なくとも6
巻の話が続くとすれば、かなり楽しめるシリーズになりそう
だ。そしてこの映画化のための脚色に、『きみに読む物語』
や『ナショナル・トレジャー』などを手掛けた大ベテランの
ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデルのコンビが当たる
ことも発表されている。
 なおソマーズ監督は、現在は、同じくユニヴァーサル製作
の“Flash Gordon”のリメイク脚本を執筆中だそうだが、今
回の報道によると、そちらは脚本と製作のみで紹介されてい
て、本作では監督を担当することになっている。またソマー
ズ監督関連のユニヴァーサルの計画では、2004年9月1日付
の第70回で紹介した“Airborn”や、その他に“Flame Over
India”“The Big Love”などが進行中ということだ。
        *         *
 もう1本シリーズ物の映画化の計画で、こちらはワーナー
から“Midnight for Charlie Bone”という作品を第1作と
するシリーズの映画化権を獲得したことが発表された。  
 この作品は、ウェールズ出身のジェニー・ニモという作家
が発表しているもので、原作本はすでに3冊が発刊されてい
るようだが、ワーナーでは上記の第1作に続く4作分までの
映画化権を獲得したとしており、とりあえずシリーズは第5
巻までは続くようだ。
 シリーズの内容は、写真を見るだけでその写真が撮られた
ときの被写体の人々の会話を聞くことの出来る能力を持った
10歳の少年を主人公としたもので、主人公はこの能力を使っ
て行方不明になった少女の行方を捜そうとするのだが、この
行為が、彼の人生を策謀と危険に満ちたものに変えて行くと
いうもの。一応は若年向けのファンタシーとなっているが、
主人公の能力も特殊だし、ちょっと不思議なムードの作品に
なりそうだ。
 製作は、ワーナー傘下のサンダーロードというプロダクシ
ョンで進められ、ここからすでにニール・オルシップという
脚本家に脚色の依頼もされている。なおオルシップは、長年
テレビのナイトショウなどで、ホスト用の台本を書く仕事を
してきた人だそうだが、今回の起用は、彼が先にワーナーに
提出したオリジナル脚本が首脳陣の目に留まって実現したと
いうことだ。ファンタシーの脚色にナイトショウの台本作家
という組み合わせも気になるところだ。
        *         *
 お次もワーナーで、2005年2月号のヴァニティ・フェア誌
にジュディ・バカラックという雑誌記者が発表した“U Want
Me 2 Kill Him?”と題された記事に基づく映画化権を獲得
し、この計画を、3月に“Superman”の撮影を開始するブラ
イアン・シンガー監督で進めることが発表されている。
 この作品は、題名の表記からも判るようにインターネット
を題材としたもので、14歳と16歳の少年がネットを通じて知
り合い、14歳の少年が殺人を計画し、16歳の少年がそれを実
行して行くという内容。しかもその展開には、かなり捻った
ものがあるということだ。そしてシンガー監督は、この計画
の脚本から監督まで全権を委ねられることになっている。
 シンガー監督は、“Superman”の前にも、『X−メン』の
2作などVFXを多用したアクション映画を監督していて、
今回の計画は、彼の最近の作品の傾向とは異なるものだ。し
かし、元々のシンガー監督には“The Usual Suspects”や、

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03月01日(火)
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