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On the Production
by 井口健二
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■第81回
ゃにされた“Super Mario Bros”と、全部自前で製作して失
敗したスクエアの“Final Fantasy”の轍は踏みたくないと
いう意向だそうで、自分たちの満足のいく脚本を自前で完成
して、それからの映画化は製作会社に任せるという方針を取
ることにしたようだ。
この方針を定めた裏には、“Final Fantasy”を手掛けた
当時のコロムビア首脳だった人物の陰が見えるとの情報もあ
るようだが、いずれにしても期待の作品が最高の条件で製作
されることを希望したい。ただし、原作となるゲームでは、
登場人物の性格付けなどはほとんど行われていないというこ
とで、ガーランドには大幅な自由が与えられる反面、それが
マイクロソフト社の意向に合うかどうか、かなり難しい挑戦
になるようだ。
また、ガーランドの計画では、昨年12月1日付の第76回で
“Time Keeper”という作品を紹介しているが、その時は6
桁と言われた契約金が、今回は7桁に上がっているもので、
注目の脚本家になっているようだ。
* *
角野栄子原作、宮崎駿監督で、1989年に製作された『魔女
の宅急便』の英語による映画化をディズニーが行うことにな
り、その脚色に、2002年に公開された『イノセント・ボーイ
ズ』などのジェフ・ストックウェルの起用が発表された。
この原作は、アニメ化された物語を第1話としてシリーズ
化がされており、昨年その原作シリーズの第1話が“Kiki's
Delivery Service”の題名で英訳出版された。そして今回
は、そのシリーズ全体を通した物語の映画化がディズニーで
進められるというものだ。
因に、宮崎監督のアニメ版は、アメリカではキルスティン
・ダンストによるキキ役らの吹き替えによるDVDが1998年
にディズニーから発売されており、そのキャラクターなどの
マーチャンダイジングは、現在も世界中で力を発揮している
ということだ。
また、今回の製作では、スコットランド出身のスーザン・
モンフォードと、彼女が最近チームを組んだ『リーグ・オブ
・レジェンド』などのドン・マーフィが権利を取得し、マー
フィの盟友マーク・ゴードンを加えた3人で当たることにな
っている。
* *
昨年2月1日付第56回の最後で数行だけ紹介した“Blood
and Chocolate”の製作がようやく進むことになり、春から
の撮影に向けてドイツ出身のカッジャ・フォン=ガーネイア
監督の起用が発表された。
この作品は、アネット・カーティス・クラウス原作のヤン
グアダルト小説を、『ザ・リング』のリメイクとその続編も
手掛けたアーレン・クルガーが脚色したもので、内容は、東
ヨーロッパを舞台に、自らの血の秘密を隠しながら生きてき
た16歳の狼人間の少女が、ふと出会ったアメリカ人の普通の
人間の少年を好きになったことから、少年への愛と家族の絆
との間で苦悩するという物語。
実は昨年の紹介では、夏からの撮影が予定されていたもの
だったが、当初予定されていた東洋系の監督が降板し、後任
のユダヤ系の監督も撮影に漕ぎ着けられなかったということ
で、今回ドイツ人の監督がようやく決定したものだ。まあ、
舞台が東ヨーロッパで、原作者も脚本家もドイツ系の名前の
ようにも見受けられるし、これでドイツ人の監督なら丸く納
まりそうな感じだ。
なお、フォン=ガーネイア監督は、アメリカではHBOで
放送された“Iron Jawed Angels”という作品で知られてい
るということだ。また、現在は同作を手掛けた製作者リディ
ア・ディール・ピルチャーと、脚本家サリー・ロビンスンが
再結集して、ピーター・ジャクスンが次回作に選んだことで
話題を呼んだ“The Lovely Bones”の原作者アリス・ホフマ
ンの別の作品“The Probable Future”の映画化も進めてい
るようだ。
製作はMGMとレイクショアの共同で行われ、MGMから
は“The Brothers Grimm”を手掛けたダニエル・ボブカーが
製作者として参加。また、脚本家のクルガーは製作総指揮で
も名を連ねている。
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02月15日(火)
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