ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459616hit]

■第80回
ジナルからピュリッツァー受賞劇作家のデイヴィッド・オウ
バーンが英語版の脚本を執筆し、アルゼンチン出身のアレハ
ンドロ・アグレスティが監督するという計画だ。撮影は3月
にシカゴで開始されることになっている。
 ところでリーヴスに関しては、昨年12月15日付の第77回で
ジェームズ・エルロイ脚本、スパイク・リー監督による別の
計画を紹介したが、今回の報道ではその作品については全く
触れられていなかった。これはすでに計画が頓挫したという
意味か、それともそれまでに撮影が完了するのだろうか。
 なお、リーヴスの次回作は、前回も紹介したようにコミッ
クスの映画化の“Constantine”が2月18日、ブロックの次
回作は、大ヒット作『デンジャラス・ビューティー』の続編
“Miss Congeniality 2: Armed and Fabulous”が3月25日
に、いずれもワーナーから全米公開の予定になっている。
        *         *
 続いてディズニー=ピクサーの提携解消で注目されていた
人気シリーズ『トイ・ストーリー』の第3弾が、ピクサー抜
きで製作されることになった。
 このシリーズに関しては両社が権利を保有しており、提携
解消後も両社で製作する方向も模索されたが、最終的にピク
サーが離脱を表明したもので、その時点からディズニーでは
新たな続編のアイデアを、社内のライティング・プログラム
に所属するメムバーから募集していた。
 これには多数の応募があったということだが、その中から
ジェイリド・スターンという27歳の脚本家のアイデアが採用
され、“Toy Story 3”の製作が進められることになったも
のだ。因にスターンはプログラムに参加して2年目というこ
とだが、すでにワーナーでコメディ映画の脚本などの仕事も
しているということだ。
 ところで、第3弾の内容について詳細は明らかにされてい
ないが、今回もトイたちはアンディの部屋を飛び出して、街
路で活躍することになるようだ。また新たなキャラクターの
登場もあるとされている。さらにディズニーでは、第4弾の
計画も進めているということで、ウッディーとバズ・ライト
イヤーの冒険はまだまだ続きそうだ。
 一方、ピクサー=ディズニーの最後の1本となる“Cars”
は、当初は今年の秋の公開予定だったが、より興行成績の期
待できる夏場の公開を目指して来年に延期されている。その
後のピクサーの計画はまだ発表されていないようだが、一足
お先の“Toy Story 3”の発表で、今後の動向が気になると
ころだ。
        *         *
 1972年に公開されてクリント・イーストウッドの名前を一
躍高めたハードアクション『ダーティハリー』シリーズの大
元になったとも言われる、1966−78年にサンフランシスコ地
区で発生した連続殺人事件の実話に基づく“Zodiac”という
作品を、ワーナーとパラマウントの共同製作、デイヴィッド
・フィンチャーの監督で映画化する計画が発表された。
 この事件は、犯行声明がサンフランシスコ・クロニクル紙
に届けられたり、目撃された犯人の風体が、黒のフード付き
ローブに奇妙なシンボルを描いたものであるなど、その犯行
の異様さが注目されたものだが、上記の年号が示す通り犯行
は映画の公開後も続き、最終的に被害者は37人に及んだとさ
れるものの、結局犯人は逮捕されなかった。
 今回の作品は、当時のクロニクル紙の編集員だったロバー
ト・グレイスミスが1986年に発表し、全米で400万部のベス
トセラーになった同名のドキュメントと、2002年に発表した
その続編“Zodiac Unmasked: The Identity of America's 
Most Elusive Serial Killer Revealed”に基づくもので、
実はグレイスミスは、編集員だったときに見た犯人の手紙か
ら独自の調査を続け、犯人を特定できたと主張している。し
かし訴追に足る証拠が発見できないまま、犯人と思われる人
物は1992年に死去したということだ。
 なお今回の映画化では、脚色を『閉ざされた森』のジェイ
ミー・ヴァンダービルトが担当している。

[5]続きを読む

02月01日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る