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On the Production
by 井口健二
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■第79回
ロイス・レーン役の有力候補の一人だったものだが、これで
ちょうどよく配役が決まったという感じだ。ただしポートマ
ンは、現在はイスラエル出身のエイモス・ギタイ監督による
“Free Zone”という作品の撮影に入っており、3月までに
この作品の撮影を完了することが必要になるようだ。
        *         *
 続いては、前回の情報が2000年の3月ということなので、
このページで紹介するの初めてになるようだが、イギリスの
SF作家ジョン・クリストファーが1960年代後半に発表した
ジュヴナイル向けの3部作“The Tripods Trilogy”の映画
化が、ディズニー傘下タッチストーンの製作で、“Buffalo
Soldiers”(戦争のはじめかた)のグレゴール・ジョーダン
監督によって進められることが発表された。
 この計画については、キネマ旬報では2000年の5月上旬号
などで紹介しているが、1970年にコーネル・ワイルド監督で
映画化された“No Blade of Grass”(最後の脱出)の原作
“The Death of Grass”(草の死)の作者として記憶される
クリストファーが、1967〜68年に発表した“The White Moun
tains”(鋼鉄の巨人)“The City of Gold and Lead”(銀
河の征服者)“The Pool of Fire”(もえる黄金都市)の3
部作を映画化するもの。
 その内容は、21世紀の時代背景で、Tripodと呼ばれる異星
人に征服されて数年を経た地球が舞台。そこで15歳になると
異星人に絶対服従するチップを頭に埋め込まれる直前の少年
が真実に気づき、2人の友人と共に異星人への反抗を始める
というお話。典型的なジュヴナイルという感じの作品だが、
出版当時の評価はかなり高かったということだ。
 そしてこの映画化権を1997年にディズニーが獲得し、『ナ
チュラル・ボーン・キラー』などの製作者ドン・マーフィを
指名して、2000年の時点では、当時『ツイスター』の続編な
どもオファーされていたダーレン・レムケという脚本家が脚
色を担当することが発表されたものだ。しかし、その後にレ
ムケは降板し、さらにこの計画にはテリー・ヘイズという脚
本家も参加したが、結局当時は映画化に至らなかった。
 その計画が復活したもので、今回はオーストラリア出身の
ジョーダンが、脚本のリライトと監督も契約したことが発表
されている。なお、上記の監督作品については、2004年11月
31日付の映画紹介に掲載しているが、2001年に完成していな
がら2003年まで公開できなかったという曰く付きの作品。し
かし公開には手間取ったものの、評論家からは極めて高い評
価を受けたものだ。また、この作品のアメリカ配給は、ディ
ズニー傘下のミラマックスが手掛けていた。
 この他に、ジョーダン監督は、オーストラリアの伝説の無
法者を描いて昨年公開された“Ned Kelly”という作品でも
評価されているようだが、これらの2作はどちらも反体制的
な主人公を描いているように見える。一方、クリストファー
の原作には、集団主義に対して個人主義を擁護しようとする
底流があるとの見方がされているようで、このような原作の
思想と、監督の資質との相性はどうなのだろうか。
 因に、製作者のマーフィは、『鉄腕アトム』のアメリカ版
の製作も進めている。また脚本家のレムケは、当時紹介され
ていた企画はどれも実現しなかったが、今年2月に全米公開
される予定のサム・ライミ製作のホラー作品“Boogyman”の
脚本に名前を連ねているようだ。
        *         *
 2004年7月1日付第66回で紹介したマーヴェルコミックス
原作“Sub-Mariner”の映画化に、新たな動きが出てきた。
 この計画では、前回はクリス・コロンバスの監督で、ユニ
ヴァーサルが進めていることを報告したが、実は、当時はま
だ製作が正式に決定されたものではなかった。その計画に今
回は、元ユニヴァーサルの製作担当重役から、独立して傘下
の製作プロダクションを経営しているケヴィン・マイシャー
が製作者として参加することが発表され、7月頃の撮影開始

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01月15日(土)
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