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On the Production
by 井口健二
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■ロング・エンゲージメント、エターナル・サンシャイン、レクイエム、ライトニング・イン・ア・ボトル、アイ・アム・デビッド、コーラス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ロング・エンゲージメント』
“Un long diamanche de fiancailles”
『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督と、主演女優の
オドレイ・トトゥが再びコンビを組んで繰り広げる歴史ロマ
ン。
第1次世界大戦を背景に、戦場での死が伝えられた恋人を、
「彼に何かあれば、私には分かるはず」という直感だけを信
じて、恋人の後を追い続けた女性の物語。
ドイツ軍と対峙するフランス軍最前線の塹壕。その中を5人
の兵士が連行されて行く。彼らは戦場を逃れようと自らの身
体を傷つけ、その罪で死刑を宣告されているのだ。その5人
の中に、若い兵士マネクも含まれていた。
しかし刑の執行を嫌った塹濠の隊長は、彼らをドイツ軍との
中立地帯に追い出すことにする。そこは両軍の砲弾が飛び交
い、誰に目にも生きたまま脱出できる場所ではなかった。そ
してその中で、次々倒れる彼らの姿が目撃される。
マチルドは幼い頃に罹ったポリオのために片足が少し不自由
だった。そして内向的で、友達もいなかった。そんな彼女に
マネクは声を掛けた。やがて2人は愛し合うようになり、将
来を誓い合う。しかしそんな2人の間を戦争が引き裂く。
そして戦争が終って3年後、マチルドにマネクが死んだとい
う情報が伝えられる。しかし彼女には、マネクが死んでいな
いという直感があった。彼女は探偵を雇い、弁護士を使って
マネクの行方を追い求める。それは、戦場で起きた真実を暴
くことでもあった。
映画を見ていて、『コールド・マウンテン』を思い出した。
あの作品も、恋人が生きていると信じて疑わなかった女性の
物語だったが、ニコール・キッドマンが演じた主人公がただ
待ち続けたのに対して、トトゥの演じるマチルドは積極的に
彼を追い求める。この行動力が何とも素晴らしかった。
そして戦場の描き方も、その残虐さと狂気を見事に描き出し
ており、この点でも『コールド…』に通じるものを感じた。
また、宣伝には使わないようだがジョディ・フォスターの演
じる兵士の妻のエピソードにも、戦争の悲劇が見事に描かれ
ていた。
ただし、『コールド…』が映画全体として文芸の香り高く描
いているのに対して、本作はトトゥの個性もあり、時にはユ
ーモアも交えて絶妙に描き出す。僕は『コールド…』も高く
評価するが、それ以上に、この作品の描き方には脱帽してし
まったものだ。
セバスチャン・ジャプリゾの原作はミステリーとして発表さ
れたもののようだ。本作でも謎解きの面白さなども描かれて
はいるが、この映画化には、それとは別のちょっと不思議な
魅力が生まれていた。
『エターナル・サンシャイン』
“Eternal Sunshine of the Spotless Mind”
人気脚本家のチャーリー・カウフマンが、2001年に『ヒュー
マンネイチュア』で組んだ映像作家ミシェル・ゴンドリーを
再び監督に迎えた作品。ただし計画は、『ヒューマン…』よ
り先にあったようだ。
恋人と別れるとき、その恋人の記憶を全て消し去ることが出
来たら…人の記憶の中から特定の条件のものだけを消去する
という医療技術を背景に、ジム・キャリーとケイト・ウィン
スレットが男女の愛憎を演じる物語。
ある朝、目覚めの悪かったキャリー扮する主人公は、通勤の
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01月30日(日)
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