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On the Production
by 井口健二
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■第78回
青のタイツ、黄色の羽根の付いたマーキュリーのヘルメット
に、黄色の羽根の付いた真紅の短靴というものだ。
そしてこのスーパーヒーローの映画化がワーナーで進めら
れることになったもので、今回はその計画に、ニューライン
で『ブレイド』シリーズを完結させたばかりのデイヴィッド
・S・ゴイヤーが脚本、製作、監督の契約を結んだことが発
表された。
なおゴイヤーは、撮影中の“Batman Begins”の脚本も担
当しているが、今回の契約は、2004年9月15日付の第71回で
紹介したゴイヤーとワーナーの包括契約に基づくもの、この
契約では最初の公式に発表された計画となるものだ。
また、今回の情報はワーナーから公式に発表されたものだ
が、実はウェブサイトでは1月程前からゴイヤーサイドから
の情報が流されていた。そこでゴイヤーは、“The Flash”
について、「自分の最も好きなキャラクター」と公言してお
り、さらにこのスーパーヒーローは特殊な武器などを使用せ
ず、ただ動くスピードが速いという特徴だけを持つことにつ
いても、「これが最高!」と言っていたということだ。ここ
まで言うゴイヤーが、そのアイデアを存分に盛り込んだ脚本
を執筆することを期待したい。
* *
古くは『トロン』や『エイリアン』、最近では『フィフス
エレメント』などのコンセプトデザインで知られるフランス
のアーチスト、ジャン“メビウス”ジロー原作による3D−
CGIアニメーションが香港のスタジオで製作されている。
この作品は、“Thru the Moebius Strip”と題されたもの
で、元はHari Kiriという雑誌に発表されたジローの原作か
ら、ジム・コックスとポール・ガーツという2人の脚本家が
脚色したもの。内容は遠い未来を背景にしたファミリー・ア
ドヴェンチャーと称されており、1人の少年が不思議な巨大
異星人の住む世界を、長く行方不明となっている父親を探し
て旅しながら、自分自身の宿命を探る物語ということだ。
そしてこの映画化の計画は、2000年にジロー自身が率いる
ロサンゼルスのアーチストチームによって立上げられ、その
後2001年に香港のGDCというスタジオに製作母体が引き渡
されて、すでに映像は完成してポストプロダクションの段階
になっているということだ。
因に監督は、グレン・チャイカという人が担当しており、
また、声の出演者には、マーク・ハミル、『新スター・トレ
ック』シリーズのウォーフ役のマイクル・ドーン、ジョナサ
ン・テイラー・トーマス、ジーン・シモンズらが参加してい
るということだ。
なおこの作品の配給権は、元はセネター・インターナショ
ナルが保有していたが、最近ファンタスティック・フィルム
スという会社が獲得したことで再び話題となったものだが、
作品はそろそろ完成しているはずで、日本の配給権はどうな
っているのだろう。
* *
続いてもアニメーションの話題で、昨日付の映画紹介で掲
載した『火星人メルカーノ』と同じアルゼンチンで200万人
を動員するヒット作が誕生し、その勢いで新たなアニメーシ
ョンスタジオが設立されることになっている。
この作品は“Patoruzito”と題されたもので、アルゼンチ
ン南部のパタゴニアに住む少年が、題名にもなっている地方
のチーフの座を賭けて闘う姿を描いたもの。元々は75年前に
ダンテ・クインターノというアニメーション作家によって創
造されたキャラクターということだが、今回のアニメーショ
ンの製作者ジョルジ・ロドリゲスの意見によると「アルゼン
チンのミッキーマウスのような存在」だそうだ。
そして今回の作品は、ホセ・ルイス・マッサという監督が
アルゼンチン国内の150人のアニメーターを動員して、長編
アニメーションとして完成させたもので、これが200万人の
観客を集める大ヒットを記録したものだ。
そして製作者のロドリゲスは、本作の続編の製作とテレビ
シリーズ化、さらにスピンオフの計画を進めているというこ
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01月01日(土)
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