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On the Production
by 井口健二
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■第76回
活躍するお話のようだが、この映画化の脚色を、『メン・イ
ン・ブラック』のエド・ソロモンが担当している。なお、こ
の計画は、元アムブリンのヒットメーカー、キャスリーン・
ケネディとフランク・マーシャル夫妻がパラマウントで進め
ているものだ。
 この他にも、ロバート・アルトマンがダールの大人向けの
短編集をテレビシリーズ化する計画も進められており、この
計画では、全6話のシリーズの全てをアルトマンが製作し、
内3話は監督も担当するということだ。
 さらに、直接映画の話ではないが、ダールが晩年を過ごし
たイギリスのバッキンガムシャーには彼の記念ミュージアム
も開館する予定。そしてその入り口の扉は、来年夏の公開予
定の映画“Charlie and the Chocolate Factory”に因み、
チョコレート色に塗られるということで、没後15年を迎えた
ダールの再評価はますます盛んなようだ。
        *         *
 現在、シリーズ第4作の“Harry Potter and the Goblet
of Fire”が製作中の『ハリー・ポッター』で、第5弾とな
る“Harry Potter and the Order of the Phoenix”の映画
化を担当する脚本家と監督が発表された。
 このシリーズの脚本は、第4作まではスティーヴ・クロヴ
スが担当していたが、彼は同じくワーナーが製作する“The
Curious Incident of the Dog in the Night-Time”という
マーク・ハッドン原作のベストセラー小説の映画化の脚本、
監督のために降板。替って、1997年にジョディ・フォスター
主演、ロバート・ゼメキスの監督で映画化された『コンタク
ト』や、日本では今春公開された実写版『ピーター・パン』
の脚色を手掛けたマイクル・ゴールデンバーグの起用が発表
されている。
 一方、監督にはいろいろな名前が噂されていたものだが、
結局イギリス人のデイヴィッド・イェイツが担当することに
なった。イェイツはテレビのミニシリーズなどの演出で授賞
の経験もあるようだが、映画は1998年に1作品あるのみ。た
だし現在は、1981年に一度映画化されたイヴィン・ウォー原
作の“Brideshead Revisited”(ブライズヘッドふたたび)
という作品を、ジェニファー・コネリーとポール・ベタニー
の共演でリメイクした作品が待機中だそうだ。
 『ハリー・ポッター』シリーズも後半に入って、物語も急
展開を迎える第5巻だが、新しい血の導入で作品がさらに面
白くなることを期待したい。
        *         *
 ヌ・イメージというプロダクションは、かなり前からSF
やアクション映画を専門に作り続けてきている独立系の映画
会社だが、この会社が先月開催されたAmerican Film Market
(AFM)で発表した新作に配給契約の申し込みが殺到し、
製作予定を早める事態になっている。
 この作品は、“Black Hole”と題されているもので、ロン
グアイランドにあるブルックヘヴンという国立研究所の研究
者が、実験の暴走から、地上にブラックホールを造り出して
しまうという内容。当然このブラックホールは全てのものを
飲み込んで行く訳で、一種のデザスタームーヴィということ
になりそうだ。主演は、“Buffy the Vampire Slayer”のテ
レビシリーズになる前の映画版で最初のバフィーを演じたク
リスティ・スワンスンと、“Breakfast Club”のジャド・ネ
ルス。総製作費は350万ドルとされている。
 そしてこの計画がAFMで発表され、これにヨーロッパの
各国やアジアの配給会社が殺到したというもので、事前には
2005年の前半に開始予定だった撮影が、2004年11月28日に繰
り上げられたといわれている。因みにAFMというのは、元
来がこのように製作を希望する映画会社が企画を出品し、海
外の配給権を契約してその契約金で映画を実現させる資金集
めの場所ということだが、それにしても今回のような反響が
集まったのは珍しいようだ。よほど上手いプレゼンテーショ
ンが行われたのだろう。なお、日本の配給権はアートポート
が獲得したようだ。

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12月01日(水)
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