ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459848hit]
■オペラ座の怪人、レディ・ウェポン、砂と霧の家、カンフー・ハッスル、誰にでも秘密がある、ULTRAMAN
達人たちが住んでいた。そして、住人たちにひどい目に遭っ
たことがワルの集団の目に留まり、威信を掛けたワル集団の
攻撃が始まったのだが…
このワル集団が黒服の集団で、この風体の男たちが続々と登
場する。ということで、見事なパロディが始まるのだが、こ
のアクションの振り付けをしているのが、本家『マトリック
ス』のユエン・ウーピンという辺りに、この作品の奥深さが
ある。
この他にも、パロディ、アクション、コメディが満載だが、
途中にはほろりとさせられる展開なども用意されていて、エ
ンターテインメントとして見事に完成されていた。
チャウ・シンチーには次回作も期待したい。
『誰にでも秘密がある』(韓国映画)
イ・ビョンホン、チェ・ジウ共演によるラヴ・コメディ。
専業主婦だが倦怠期の長女と、20代後半になっても処女で恋
愛に臆病な次女、そして恋愛には奔放だが意中の男性を見つ
けられない三女。こんな3姉妹のいる家族に、画廊を経営し
資産家らしいが、素性は謎の青年が入り込む。
この青年を、最初は三女が見つけるのだが、家族とつきあい
出した青年は、長女や次女にも手を出して行く。そして、当
然女性たちのつながりは密な訳で、すれ違いはしょっちゅう
だが、青年はその間を見事に立ち回って、それぞれの関係を
構築して行く。
これだけ書くとかなり不道徳なお話に見えるが、映画には見
事な落ちが付いているので、ラヴ・コメディとして気持ち良
く笑える作品になっていた。なお、最近の韓国映画に特有の
激しいベッド・シーンなどはなく、ソフトなセクシャルムー
ヴィの仕上がりだ。
さらに、最近の流行りの時間軸を入れ替える展開で、それぞ
れ前のシーンを別角度で見せる手法が取られるが、それも判
りやすく混乱なく見ることができた。
因に、チェ・ジウは次女の役で見事なコメディエンヌぶりを
発揮している。
『ULTRAMAN』
円谷プロ製作の人気テレビシリーズの劇場版。劇場作品とし
ては9作目のようだが、今回はテレビシリーズの延長ではな
く、テレビの設定を離れて単独の作品として製作されたもの
ということだ。
しかもこの作品で、ウルトラマンに憑依される主人公は妻子
持ち。この設定はシリーズ始まって以来のことのようだが、
というのも今回の作品では、従来のお子様向けに特化したも
のではなく、大人の観客も獲得したいということの現れのよ
うだ。
実はこの作品は前評判がかなり良く、こういうときは一般的
に眉唾なのだが、今日上映を見て、あらためてその意気込み
を感じた。展開は大人向けを意識したと言っても、所詮は怪
獣との闘いがメインになる訳だが、今回はその闘いが一味も
二味も違っていた。
まず物語の背景が現代で、その主戦場が現在の新宿西口。こ
の場所は、個人的にも普段見慣れている場所なので親しみも
湧くが、それ以上に、現実に見慣れた風景の中に、見事に怪
獣とウルトラマンが描かれている点には感心した。
他にも、空中戦もスピーディに見事に作られていた。従来、
ウルトラマンの敵役では空を飛べる奴もいろいろいたはずだ
が、ここまで丁寧に空中戦が描かれたのは初めてだろう。し
かもこの空中戦を、さらに上空から地上をバックに描く辺り
のセンスも気に入った。
先にも書いたように、今回は大人の観客も呼びたいというこ
[5]続きを読む
10月31日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る