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On the Production
by 井口健二
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■第73回
は明らかにされていないし、特にファンタシーという紹介は
されていないようだが、ニコルズ監督には『イルカの日』の
ような作品もあるので、ちょっと期待してしまうところだ。
 なお、ニコルズ監督とロバーツでは、ジュード・ロウ、ナ
タリー・ポートマン、クライヴ・オーエン共演の“Closer”
という作品の全米公開が今年末に予定にされており、本作は
それに続けてのコラボレーションということになる。
 しかしニコルズ監督には、テリー・ギリアム監督の1975年
作品“Monty Python and the Holy Grail”を舞台コメディ
化する“Monty Python's Spamalot”の舞台演出や、カール
・ハイアーセン原作の“Skinny Dip”という長編小説の映画
化権を獲得するなど、計画が目白押しで、今回の計画がすぐ
に実現という訳には行かないようだ。
        *         *
 スティーヴン・キング原作で1989年に最初の映画化が行わ
れ、1992年に続編も製作されたホラー作品“Pet Sematary”
(ペット・セメタリー)のリメイクが、パラマウント傘下の
アルファヴィルで計画されている。
 オリジナルは、キング自身の脚色による映画化で、1987年
に公開された“Siesta”(シエスタ)などのメアリ・ランバ
ートが監督、ランバートは続編も監督している。しかしこの
オリジナルは、アメリカで毎年発行されている2つのガイド
ブックでは、一方の評価が★3つ半に対し、他方ではBombと
されるなど、好悪が激しく分かれている。ただし興行的には
第1作は5700万ドルと、まずまずの成績を残したものだ。
 そして今回のリメイクは、ワーナーで“Invasion of the
Body Snatchers”(SFボディ・スナッチャー)、フォーカ
スフィーチャーズで“The Changeling”(チェンジリング)
など、SFホラー系の作品のリメイクを相次いで手掛けてい
るデイヴ・カジャガニッチが脚色を行うもので、新たな観点
での映画化が期待される。
 なお脚本家は、本職が大学の英語の教授という人で、昨年
オリジナル脚本の“Town Creek”という作品をワーナーに売
り込んで以来、一気に高い評価を得ているようだ。
        *         *
 前回は、テレビの『スーパーマン』に主演したジョージ・
リーヴスについての映画の計画を紹介したが、今度は『名犬
リンチンチン』を演じたジャーマン・シェパードに関する映
画の計画が発表された。
 計画しているのは、最近やたらと名前の登場するエメット
/ファーラのコンビで、彼らはすでにオリジナルの権利を所
有する関係者からの許可も受けているようだ。
 因に、初代のRin Tin Tin(リンティ)は、第1次大戦中
にフランスの塹壕の中で生まれたとされ、戦後に飼い主のリ
ー・ダンカンと共にアメリカに渡り、1923年製作のワーナー
映画“Where the North Begins”をデビュー作として、22本
の映画および連続活劇に主演。そしてスター犬となった後、
1932年8月10日に、ダンカンと隣人だった女優のジーン・ハ
ーロウに看取られて亡くなったそうだ。
 またリンティは、4匹の息子を儲け、その内2頭が1954年
から59年に放送されたテレビシリーズ“The Adventures of
Rin Tin Tin”で活躍した犬ということだ。なお、このシリ
ーズでは全部で3頭のジャーマン・シェパードがリンティを
演じているが、残りの1頭もやはり俳優犬の息子でフレイム
Jr.と呼ばれる犬だったそうだ。そして1958年と59年には、
動物タレントに贈られるTVパツィー賞を受賞している。
 因みにこのテレビシリーズは、アパッチ砦などのある西部
劇の世界を舞台としてもので、ガンファイトなどのアクショ
ンや暴力なども表現され、その点がファミリードラマとして
描かれた『名犬ラッシー』とは異なっていた。その後1988年
から93年には現代版の“Rin Tin Tin K-9 Cop”も製作され
ているが、このシリーズでもアクションに彩られたものだっ
たようだ。なおこの現代版シリーズのリンティも、初代の子
孫が演じたそうだ。

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10月15日(金)
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