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On the Production
by 井口健二
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■第70回
performance capture systemの第2弾“Monster House”の
配給を手掛けることも発表しており、CGIアニメーション
では一気に攻勢を掛けることになりそうだ。
 ただし今回の報告では、第31回で紹介した“Shangri-la”
については題名が消えていた。また、待望の“Astroboy”に
関しては、第65回で紹介したように実写とCGIの合成で進
められることになるようだ。
        *         *
 続いては、『冷血』や『ティファニーで朝食を』などの原
作者としても知られる作家トゥルーマン・カポーティの伝記
映画が、ワーナー・ブラザース傘下のワーナー・インディペ
ンデンス・ピクチャーズで計画され、その出演者に多彩な顔
触れが集まっている。
 まず発表されたのは、マーク・ウォルバーグで、彼は『冷
血』のモデルとなった殺人鬼ペリー・スミスを演じる。また
サンドラ・ブロックがカポーティの従妹で『アラバマ物語』
の作家ハーパー・リーに扮し、カポーティ役はイギリス人の
俳優トビー・ジョーンズが演じる。因にジョーンズは、『ハ
リー・ポッターと秘密の部屋』で妖精ドビーの声を当ててい
る人だそうだ。
 さらに、カポーティと親交のあった歌手のペギー・リー役
にグウィネス・パルトロウ、また作家の支援者役で『ヴィレ
ッジ』のシガニー・ウィーヴァーの出演も発表されている。
 なお物語は、1997年にジョージ・プリムプトンによって発
表されたカポーティの口述自伝“Truman Capote: In Which
Various Friends, Enemies, Acquaintance and Detractors
Recall His Turbulent Career”に基づき、ダグ・マクグラ
フが脚色、マクグラフの監督で映画化されるもので、特に、
作家とペリー・スミス及びディック・ヒコックの2人の殺人
者が、死刑を待つ間に続けた交流が描かれるようだ。
 映画化の題名は“Every Word Is True”で、来年1月1日
から撮影開始の予定になっている。
        *         *
 またまた往年の人気テレビシリーズの映画化で、アメリカ
では1964年から65年に放送され、日本でも65年からフジテレ
ビ系で放送された“The Munsters”(マンスターズ/おじい
ちゃんはドラキュラ)を、“Scary Movie”シリーズの最初
の2作を手掛けたウェイアンス兄弟の脚本で映画化する計画
がユニヴァーサルから発表された。
 このシリーズは、邦題の通り吸血鬼の祖父に、同じく吸血
鬼の母親、それにフランケンシュタインの怪物の父親と、狼
男の息子、さらに普通の女性の娘の一家を主人公にしたもの
で、アメリカでは1988年−91年にリメイク版も製作された人
気番組。彼らは普通の生活を送ろうとしているが、なぜか隣
人たちは彼らを恐れており、その理由が判らないことから騒
動が生じるというものだ。
 因に、息子のエディ・マンスターのキャラクターは、ベン
・スティラーが長らく自作のコントのキャラクターとして演
じ続け、それでも人気が保たれてきたと言われている。
 そして今回の映画化では、ウェイアンスは過去にユニヴァ
ーサルと組んだことはなかったが、TVシリーズの権利が同
社にあることを知り、たまたま以前ニュー・ラインで彼らの
“Most Wanted”という作品を手掛けたマリー・ペアレント
という人物が同社の海外担当重役を勤めていたことから、そ
の伝を頼って今回の計画実現に漕ぎ着けたということだ。
 ドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男が揃うのは『ヴ
ァン・ヘルシング』と同じだが、オリジナルは世間に受け入
れられない一家のちょっとペーソスも漂うコメディで、この
設定にウェイアンスの毒気がどう発揮されるかも気になると
ころだ。
        *         *
 1985年にジョン・ヴォイト主演で映画化された“Runaway
Train”(暴走機関車)をリメイクする計画がフォックスか
ら発表された。
 この作品は、元々はリーダーズ・ダイジェスト誌などにも
紹介された実話に基づくもので、操縦不能になった機関車を

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09月01日(水)
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