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On the Production
by 井口健二
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■ヴィレッジ、ビハインド・ザ・サン、モンスター、キャットウーマン、バイオハザードII、酔画仙、ブラインド・・、ハッスル、春夏秋冬・・
結局、『ハルク』でもそうだったが、その誕生に経緯のある
キャラクターの登場のさせ方には難しいものがある。作る側
にはその部分をしっかりと押さえなければならないという思
いがあるし、一方、観客は最初からキャラクターの活躍を期
待する。
それを上手く処理したのは『スパイダーマン』だが、それで
も発端が長いという声は聞かれたものだ。しかも『スパイダ
ーマン』では、その後のビルの間を跳ぶ爽快感が救ってくれ
るのだが、残念ながら本作にはそれの作りようがなかったと
いうところだろう。
しかし、多少暗めの物語は、ある意味現代を象徴しているも
のだし、その中でのハリー・べリーの存在感も見事に描かれ
ている。特に20代後半ぐらいからの女性が見れば、共感する
ところも多いと思うのだが…。
お話は、化粧品会社の新商品のキャンペーンを担当した宣伝
部のデザイナーの女性が、ふとしたことからその新商品の秘
密を知り、そのために殺されてしまう。しかし彼女は猫の持
つ神秘の力で甦り、キャットウーマンとなって復讐に乗り出
すというものだ。
共演は、化粧品会社の代表にシャロン・ストーン。他に、デ
ザイナーのボーイフレンドとなり、その一方でキャットウー
マンを追跡する刑事役にベンジャミン・ブラットなど。
監督は、フランスで『ヴィドック』を手掛けたピトフ。雰囲
気などの映像の描き方は抜群だと思えるが…。
『バイオハザードII/アポカリプス』
“Resident Evil: Apocalypse”
著名ゲームの映画化で2002年にヒットした作品の続編。前作
に主演したミラ・ジョヴォヴィッチが、同じ役を再演する。
原作ゲームの第1作は一度始めたことがあるが、もはや僕の
手におえるものではなかった。しかしこのゲームの面白さは
判るもので、この映画には、そのゲームを上手いゲーマーが
攻略して行くのを見ているような楽しさがある。
物語は、前作でゾンビを封じ込めた扉が開かれ、ゾンビが街
に溢れ出すことから始まる。そして前作で脱出に成功した主
人公は、再びゾンビと戦わなくてはならなくなる。しかも今
回は、その街に取り残された少女を救出するという任務が加
わる。
タイムリミットは、街が核ミサイルで消滅させられるまでの
4時間。協力者は、特殊部隊のメムバー=ジル・バレンタイ
ンら数人。そして、今回は事件を引き起こした病原体T−ウ
イルスに隠された謎も明らかにされる。
ジョヴォヴィッチのアクションも見事だったが、今回新登場
のジルを演じたシエンナ・ギロリーが、最初はCGキャラク
ターかと思うほどの見事なクールビューティで感心した。
登場する強敵ネメシスやゾンビ犬ケルベロスの造形もそうだ
が、何しろゲームの味を損なわないことに最大限の努力が払
われ、その意味でも納得できる作品になっている。
監督は、『ブラックホークダウン』などのアクション監督を
務めてきたアレクサンダー・ウィット。製作・脚本は、前作
の脚本・監督を手掛けたポール・W・S・アンダースンが担
当。『モータル・コンバット』や『イベント・ホライズン』
の監督でもある彼のSFマインドが見事に開花してきた感じ
だ。
なお本作は、前作を見ていなくても充分に理解できるように
作られている。
それと、やっぱりゾンビはゆっくりと動くのが良い。
『酔画仙』(韓国映画)
19世紀後半の激動の朝鮮時代に生きた絵師の物語。
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08月31日(火)
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