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On the Production
by 井口健二
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■透光の樹、ツイステッド、犬猫、ニュースの天才、クライモリ、トルク、マイ・ボディガード、80デイズ、みんな誰かの愛しい人
『クライモリ』“Wrong Turn”             
州の面積の75%が森林というウェスト・ヴァージニアを舞台
にしたホラーサスペンス。               
2003年のカナダ製作だが、スティーヴン・キングが同年の年
間ホラームーヴィBest1に選んだ作品ということだ。   
樹海と呼んでも良さそうな深く暗い森。その中を縫うように
走る細い糸のような道路。地図にも微かにしか描かれないそ
の道路に待ち受けているものは…。           
主人公の一人は医者の卵、面接に向かう途中のフリーウェイ
で事故渋滞に巻き込まれ、その渋滞を避けるつもりでその道
に迷い込む。もう一人は最近振られたばかりの若い女性、彼
女を元気づけようとした男女4人の仲間と共にキャンプ場を
探してその道を辿る。                 
しかし、誰かが故意に置いた有刺鉄線で車がパンクし、途方
に暮れているところに、医者の卵の車が衝突する。こうして
移動手段を失った若者たちは、徒歩で救援を求めに行くこと
になるが…。最初は危機感もなく歩く彼らの背後に謎の影が
迫ってくる。                     
道に迷って恐怖体験に巻き込まれるというのはティーズ・ホ
ラーにはありがちが展開だが、その展開が久しぶりにシンプ
ルというか、妙な捻りを加えずにストレートに迫ってくるか
ら、何も考えずに結構楽しめた。            
しかも、謎の影というのが結局はフリークスなのだが、これ
を映画の製作も務めるスタン・ウィンストンが手掛けている
からかなりリアル。また、森林や無気味な小屋を舞台にした
アクションの演出もよくまとまっていた。        
上映時間は1時間24分と短いが、中には恐怖が一杯に詰まっ
ていた感じだ。                    
それにしてもウェスト・ヴァージニアの人は、同じ州の人間
がこんな描かれ方をしても、何も言わないのだろうか。  
                           
『トルク』“Torque”                 
理論上は、最高400km/hも可能というスーパーバイクも登場
するバイカー映画。                  
製作は、『ワイルド・スピード』のニール・H・モリッツ。
これだけで、映画の内容は大体予想が付く。バイカーグルー
プ間の抗争を背景に、主人公が悪の組織を懲らしめるという
お話だ。                       
一人のバイカーが町に戻ってくる。彼は半年前、恋人にも何
も言わずに町を出て行った。それは麻薬取り引きの嫌疑を掛
けられてのことだったが、彼は濡れ衣を晴らすため、そして
真犯人を告発するために戻ってきたのだ。        
しかし、彼が出て行った後の町では、グループ間の抗争が激
化し、まさに一触即発の状態。そして彼に濡れ衣を着せた男
は、この機を利用して町を牛耳ろうとしていた。だが、その
全ての鍵を主人公が握っていたのだ。          
400km/hは、さすがに実写ではなくVFXで描かれるが、そ
れなりに迫力はあるし、ある意味ライドのような感覚で楽し
みたい作品というところだろう。そのためには、座席は出来
るだけ前にとった方が良いが、あまり前だと船酔いになる恐
れもあるからご注意。                 
監督はミュージック・ヴィデオ出身で、本作が劇映画デビュ
ー作のジョセフ・カーン。物まね的なシーンも見られたが、
全体的には良くやっている。主演は『ザ・リング』に出てい
たマーティン・ヘンダースン、共演はアイス・キューブ。 
上映時間は1時間24分、まあさほど肩も凝らせずに見切れて
しまうような作品だ。                 
                           
『マイ・ボディガード』“Man on Fire”         
A.J.クィネル原作『燃える男』の映画化。      

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08月14日(土)
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