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On the Production
by 井口健二
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■第66回
するもので、開拓時代にミズーリ州ブーンズ・リックから、
夫が居るはずのワイオミングの砦まで、その後を追って家族
を引き連れ、ぼろぼろの幌馬車で向かって行った女性を主人
公とした物語。
この女性をムーアが演じ、ハンクスは行動を共にする夫の
弟役。さらにこの旅には、4人の子供と彼女の父親も加わっ
ているというものだ。そして物語は、彼女と義弟が恋に落ち
るという展開になるようだが…。
なお計画は、ハンクス主宰のプレイトーンが進めているも
のだが、実は、監督と主演女優が決定されるまでは計画の存
在自体が秘密にされていたということで、それがようやく発
表されたもの。ただし監督には、先にヒース・レジャー主演
の“Casanova”の計画が発表されており、今回の計画が直ち
に実現という訳ではない。しかし監督からは、1年以内に実
現したいという意向も伝えられているようだ。
因に、題名にもなっているブーンズ・リックは、町の名前
の他に、Boone's Lick Roadというのもあるようだが、これ
は西部の英雄ダニエル・ブーンが切り開いたとされる西部へ
の道筋ことで、1800年代の前半には数多くの西部開拓団がこ
れを辿って、サンタフェやオレゴン、カリフォニアへと向か
って行ったものだそうだ。
そして今回の物語も、その道筋に沿って描かれるものにな
りそうだ。いつも圧倒的な迫力でドラマを展開してみせるハ
ルストロームだが、今回は西部の荒野を背景に、一体どんな
作品となるのだろうか。
* *
お次は、『ハリー・ポッター』の第3作以降は製作に廻っ
たクリス・コロンバスの、監督復帰の計画がユニヴァーサル
から発表された。
計画されているのは、“Sub-Mariner”というマーヴェル
コミックス原作の映画化で、アトランティスの王子ナモーを
主人公とした海洋冒険物語。海洋汚染や、侵略、戦争などを
扱った壮大な内容ということだが、主人公は、あるときは人
類を助け、あるときは敵対するということで、必ずしも常に
味方というものではないようだ
また、この主人公は、実はコロンバスが長年フォックスで
計画を進めていた“Fantastic Four”の登場人物でもあるよ
うだが、彼だけを主役にした独立したシリーズでも発表され
ているということで、今回はその独立シリーズの映画化とい
うことになる。
そしてこの計画自体は、長年ユニヴァーサルで進められて
きたもので、すでに『ロード・トゥ・パーディション』など
のデイヴィッド・セルフによる脚色もできているようだ。
因にコロンバスは、“Fantastic Four”の計画からはすで
に離れたようだが、それにしても、関連した計画を他社で進
めるとは、よほどこの原作に愛着があるということなのだろ
うか。ここまで来たら、“Fantastic Four”の映画化も彼の
手で実現してもらいたいものだ。
* *
『シュレック2』では久々のマシンガントークを炸裂させ
て、活きの良い声を聞かせてくれたエディ・マーフィの出演
で、シェークスピアの“Romeo and Juliet”をモティーフに
したタイトル未定のコメディ作品の計画が、ドリームワーク
スから発表されている。
『ロミオとジュリエット』と言えば、『ウェストサイド物
語』から『アンダーワールド』まで、数多くの作品で引用さ
れてきた恋人たちの悲恋を描いた名作だが、今回の計画は、
実は恋人たちの両親の視点から描いたお話ということで、最
近は『チャーリーと14人のキッズ』などで父親役が板に付い
てきたマーフィにはピッタリの作品になりそうだ。
脚本は、1970年代のマーフィのSaturday Night Live時代
からの盟友で、『ナッティ・プロフェッサー』の2作なども
手掛けたバリー・ブラウスタインとデイヴィッド・シェフィ
ールド。息の合ったコメディを期待したい。因にこのコンビ
は、パラマウントがセドリック・ジ・エンタテイナーの主演
で劇場版リメイクを進めている“The Honeymooners”の脚本
も手掛けているようだ。
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07月01日(木)
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